入居者さまの「スマート置き配がよかった」の声が届く。CO2の削減効果による物件価値の向上
上場リートのサムティ・レジデンシャル投資法人の運用やアセットマネジメント業務など不動産ファンドビジネス全般を手掛けているサムティアセットマネジメント株式会社さまでは、現在、サムティ・レジデンシャル投資法人が保有する物件の内、約80物件にスマート置き配を導入しています。投資家さまと入居者さまの双方に喜んでいただける物件価値向上への取り組みや今後の方針について、お話を伺いました。
環境認証を通じて物件の価値を向上。置き配で入居者さまの利便性向上と競合物件との差別化
—— 現在、御社が力を入れている取り組みを教えてください。
阿部さま: 現在さまざまな事業に取り組んでいる中で、SDG’sの観点から不動産環境認証の取得に力を入れています。不動産環境認証を取得するにあたり、ハード面では建物自体の性能評価を受け、ソフト面ではLED照明や節水型トイレ等の省エネ機器の設置、健康促進の為の階段利用や自治体のルールに沿ったごみの分別促進等のポスター掲示等入居者への呼びかけを実施し、ハード・ソフト両面からアプローチしています。
対象物件は、DBJ Green Building認証(グリーンビルディング認証プログラム※1)で評価されるために評価項目の点数を伸ばす取り組みを積極的に進めています。査定団体が定めている指標をめざしても満点はなかなか取り切れませんし、取り組むほどコストがかかります。非常に大変ではありますが、可能な限り満点に近づけるように地道に取り組むと同時に、新しい対象物件においてもDBJ Green Building認証に限らず、様々な環境認証の取得を目指しているところです。
—— スマート置き配を導入する以前に、オートロックマンションの置き配対応をご存じでしたか?
阿部さま: 置き配のコンセプト自体は知っていて、利用したこともあり便利だという印象でしたが、オートロック物件ではない建物や戸建住宅で行われているものという認識でした。オートロックつきの賃貸マンションに導入できるというのは御社からの説明を受けて初めて知って、入居者さまの利便性向上と他社の競合物件との差別化が実現できると考えて導入しました。
—— 不動産投資の業界での物件の差別化は一般的でしょうか?
阿部さま: そうですね。私たちのようなレジデンシャルを多く扱っている企業やオフィスを中心に扱っている企業、ホテルを中心に扱っている企業などそれぞれ特色がありますが、弊社と同じ分野の企業の物件について、環境認証が取れているのかをしっかりチェックします。他社ができているのに弊社ではできていないことには迅速に取り組んで、その逆で他社がまだやっていないことをいかに弊社の物件に導入していくかを日々検討し、物件の価値を上げていくことが大切です。
届くのは「スマート置き配がよかった」の声。CO2削減効果は大きなアピールポイント
—— スマート置き配を導入したきっかけを教えてください。
阿部さま: 不動産環境認証の観点から考えると、CO2の削減効果があるのは大きなアピールポイントです。環境に関する取り組みをしているかという項目で、スマート置き配の導入によってポイントを取得できる上に、荷物の再配達をさせないことによってCO2を削減できるというのは投資家さまに対してもいいアピールになります。さらに、無料インターネットやオートロックといった項目にスマート置き配を加えると営業面でのセールスポイントがさらに強化されて、入居を検討している方にもメリットを訴求しやすいですね。
—— 導入後に入居者さまの反応はありましたか?
阿部さま: 仲介業者経由で届いているのは、今のところポジティブなリアクションのみですね。スマート置き配によって宅配業者が建物内に入ってくるのは嫌だといった声もありません。
道下さま: スマート置き配が便利だという声は5件ほどあったでしょうか。数値にすると少なく見えるかもしれませんが、リアクションとしては上々だと思います。部屋を探している方が、部屋のいいと思ったところを仲介会社にフィードバックすることはめったになく、仲介業者もその部屋に決めた理由をほとんどヒアリングしません。そんな中で「スマート置き配がよかった」と言ってくださる方がいるということは、実際にはもっと多くの方がスマート置き配を評価されていると考えていいでしょう。今後は、部屋を決めた理由について入居者さまに定性的にアンケートを取り、現場に積極的にフィードバックしていきたいですね。
—— 入居者さまのスマート置き配の利用について検証していますか?
阿部さま: 現時点では特にしていませんが、担当者が導入物件に行った際に置き配を利用しているのを見かけたことはあるようです。弊社の物件は20~30代の単身者が多く入居されていますので、スマート置き配は使いやすいのではないでしょうか。
—— 導入時に他の置き配サービスとの比較はされましたか?
阿部さま: 実は御社から置き配のご提案を受けた後、他社さまも探してみましたが、全国的に展開できている先は見当たらず、また、御社サービス内で利用できる宅配業者がAmazonとヤマト運輸のみで、佐川急便や日通、郵便局などはまだ対象外だったので、そこをカバーしている企業があるかをチェックしましたが、やはりそうした企業も見当たらなかったため、そのまま話を進めてもらいました。
仲介会社さまもポジティブに反応。不安や懸念も払拭されて問題はなし
—— 導入時に心配なことはありましたか?
阿部さま: 居住していない人にオートロックを通過させることで、セキュリティ機能が落ちるのではないかという懸念はありました。しかし、置き配ができる物件に入居するかどうかは最終的に入居者さんが選択される事です。荷物の配送に関する問題やクレームに対して、弊社が都度対応しなければいけない事態にはならないだろうと判断しました。実際、荷物の紛失や置き配ができていないといったクレームは入っていないですね。
道下さま: 管理会社は、オートロックの通過に関してはログを取るという点で不安が払拭されたようですが、廊下の荷物が通行の妨げになるというクレームが入る可能性を懸念していたようですね。ある程度の大きさ以上の荷物は置き配をしないという取り決めをすることで、特に問題はないと聞いています。
—— 導入して感じられた効果はありますか?
阿部さま: 仲介会社と入居者さまからはポジティブな反応があります。「スマート置き配が使えるから」という理由で部屋を選んでいただくケースがあるのではないでしょうか。管理会社はスマート置き配の導入を入居者募集チラシに記載して、チラシを配布する際に口頭でも説明しています。ただ、部屋を探している方へ積極的にアピールするかしないかは仲介会社によるでしょうから、物件にステッカーを貼るなどして周知方法を広げたいと思っています。
IoTシステムに関心。さらに便利で快適に過ごせるツールを検討したい
—— スマート置き配や弊社に求めることを教えてください。
阿部さま: 御社からの新たなご提案にて現在導入を進めている顔認証システムは、他社との差別化ができるツールとして有効だと考えていますが、私たちが気づいていないマイナスの影響がある可能性もゼロではないので、まずはいくつか選別した物件にて導入効果をしっかり検証して問題がなければ多くの物件にて積極的に導入したいです。
その他の要望として敢えて上げるならば、IoTシステムに関心があります。現在IoTシステムは高級住宅の設備というイメージが強く、コスト面や機能面の問題もありますが、いずれ賃貸マンションにも導入されていくでしょう。将来の動きを見越して先駆けて取り組んでいきたいので、スマート置き配や顔認証、スマートロックのようにさらに便利で快適に過ごせるツールを開発し、紹介していだきたいです。
—— 引き続きご支援できるよう改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました。
※掲載内容は取材当時のものです。
- 投資運用会社さま
- 社名
- サムティアセットマネジメント株式会社
スマート置き配の導入のチェックポイント
集合住宅の共用エントランスについて、各項目をご確認ください。
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オートロック
エントランスに電気錠が設置されている。
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戸数10以上
導入検討物件1棟につき戸数が10戸(10世帯)以上ある。
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全国20都道府県で展開中
物件が主要都市エリアにある。
※詳しい対象エリアについてはお問い合わせください。
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着床制限なし
着床制限のあるエレベーターが設置されていない。