スマート置き配がサポート。目指すのは自立している方の安全で健康な生活
さまざまな新築・中古不動産の売買やリフォーム、不動産コンサルティングなど、幅広く不動産事業全般を手掛けている株式会社ライフケア・プロパティ。従来の要介護高齢者だけでなく、自立生活を送るアクティブシニアを対象としたサービスの拡大を図るため、新しい見守りの形を構築するための取り組みについて、お話を伺いました。
人手をかけずに確実な見守りを行うために。高齢者にとっての大きな負担を置き配で解消
—— 現在、御社が力を入れている取り組みを教えてください。
近藤さま: 弊社は、老人ホームや高齢者施設、マンションなど、不動産全般の売買、賃貸等を行う不動産事業です。現在は要介護高齢者が事業のターゲットですが、今後は自立している高齢者向けの事業にも注力していく予定です。
その一端として、2020年12月にアクティブシニア向け賃貸マンション「ライフケア吹田」をオープンしました。自立生活の指標となるADL(日常生活動作)や、身体状況にあった住環境を提供し、高齢者一人一人が生き生きとした生活を送れるお手伝いができる場を積極的に増やしていきたいと考えています。
—— スマート置き配をどのようにお知りになりましたか?
近藤さま: 恒常的な介護人材の不足や、介護保険制度の持続可能性が懸念される中、増加する高齢者にどのようなサービスを提供していくべきかを社内で検討していました。その結果、「自立している方が安全で健康な生活を送れるシステムを備えた賃貸マンションを開発していこう」という方針が決まったんですね。その際、人材の不足を補うため、人手をかけず、確実な見守りを行うために必要な機能を備えたシステムを導入したかったのです。
常駐スタッフは置かず無人で見守りをする一方で、そんな環境でも安全に生活してもらうには、異常検知時にどうやってオートロックを解除して中に入るかが課題でしたね。
また、一般のマンションでは宅配ボックスが1階に設置されていますが、入居者様は荷物を受け取るために1階へ足を運び、荷物を自室まで運ばなければなりません。水やお米といった重さのあるものが届いた場合、生活が自立しているとはいえ、高齢者にとっては大きな負担となります。そこで、置き配システムが必要だと思い、うまく活用できそうなサービスをインターネットで検索したところ、御社のサービスを知ったという流れです。
—— 現在、ライフケア吹田に宅配ボックスは設置されていますか?
近藤さま: 従来からある製品だと、1階のエントランスまわりに設置するしかありません。しかし、先ほどお伝えしたように重いものを運ぶのは大変ですから、弊社で独自に制作した宅配ボックスを各階の玄関横に個別設置しています。運用上ロックはせず、宅配業者にそのまま荷物を入れてもらう形です。同じフロアに住んでいる入居者の皆さんは基本的に顔見知りですし、外部の人が入ってくることもないので、荷物の盗難などのトラブルは起きないだろうと想定しました。
外部の給食サービスの配送にスマート置き配を利用。併用のサービスにも「使いやすい」の声
—— スマート置き配を導入いただいたご感想はいかがですか?
近藤さま: まだ入居者様が少ないこともあって、実際にどんな使い方をしているのか、使いやすい点や使いにくい点がないかといったヒアリングは今のところできていません。
田中さま: 皆さん高齢者なので、ネット通販はほとんど利用されませんが生協などの外部の給食サービス配送のためにスマート置き配を利用している方はいらっしゃいますね。
—— スマート置き配と併せてご利用いただいている、NinjaEntranceとNinjaLockMをどのように利用されていますか?
田中さま: 異常を検知して駆けつける時や、仲介会社がお客さまを案内する時に、エントランス部分は弊社が遠隔からNinjaEntranceを使って解錠し、各お部屋はNinjaLockMのワンタイムパスワードを伝えて解錠しています。入居者の皆さんは、スマホアプリやカードキーはほとんど使われておらず、エントランスもご自分のお部屋も物理鍵かワンタイムパスワードを使って解錠されています。
NinjaLockMのワンタイムパスワード機能を使って解錠されている方からは、週1回程度訪問してこられるご家族と共有できるので使いやすいという声をいただいたことがありますね。ご家族さまは比較的スマホをお持ちの方も多いので、アプリケーションを通じてエントランスを解錠していただいています。ただ、入居者さまは70〜90代という年齢層で、スマホの扱いに慣れていませんし苦手意識も強いです。スマホアプリの使用に抵抗がある方には、物理鍵をお渡ししています。
—— NinjaEntranceやNinjaLockMの導入時に心配なことはありましたか?
近藤さま: 入居者の皆さんは、スマホを使っていても使いこなし方には個人差があるので、NinjaLockMをどの程度まで使ってもらえるのかという懸念がありました。スマホ教室を開くなどしてスマホに慣れていただく機会を増やしてはいますが、スマホを使うこと自体に強い抵抗感を持つ方もいますから、浸透するにはまだ時間がかかりそうですね。
今後、入居者さまの年代が若くなっていけばこうした問題もなくなってくるでしょうが、物理鍵を使う方も多いのが現状です。とはいえ、少しずつでもスマホを使うことに慣れていただいて、できるだけ物理鍵は使わずにスマホでの操作ができるように、私たちもお手伝いしていきたいと考えています。
—— スマート置き配の導入時に心配なことはありましたか?
近藤さま: 導入前は、やはり盗難が起きないかという懸念はありましたが、同じフロアの入居者は皆さん顔見知りの者同士ですから、問題は起きないだろうという思いも同時にありました。今のところトラブルは起きていませんが、今後も起きないとは限りませんので、課題として引き続き留意しておきたいですね。
—— NinjaEntranceやNinjaLockMを導入いただいたご感想はいかがですか?
田中さま: ワンタイムパスワードの発行をすれば、仲介会社が内覧時に解錠できるのは便利ですね。私が現地に行かなくてもいいので、手間がかからなくなりました。
さらなる機能の改善で広がる可能性に期待
—— 弊社やNinjaEntrance・NinjaLockM・スマート置き配に求めることを教えてください。
近藤さま: NinjaLockMの操作がBluetooth接続下でしかできないので、遠隔操作で解錠できるようになるとありがたいです。現在は、駆けつけ時にスタッフが消防隊に連絡して、ワンタイムパスワードを伝えて解錠する仕様ですが、遠隔操作で解錠できると、ワンタイムパスワードを都度発行する手間がかからなくなります。
田中さま: 有料老人ホームにNinjaLockMの導入を検討したことがありますが、地震や火災などの非常時に自動解錠となる仕組みがあるといいですね。普段は入居されている高齢者が容易に外に出られない環境にしておかなければいけませんが、避難が必要な緊急時には逆にすぐ脱出する必要があります。電気錠でそういった設定が可能な製品はありますが、後付けが難しいので、NinjaLockMで実現できるとうれしいです。
—— 引き続きご支援できるよう改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました。
※掲載内容は取材当時のものです。
- 管理会社さま
- 社名
- 株式会社ライフケア・プロパティ
- 管理戸数
- 101戸〜500戸
スマート置き配の導入のチェックポイント
集合住宅の共用エントランスについて、各項目をご確認ください。
-
オートロック
エントランスに電気錠が設置されている。
-
戸数10以上
導入検討物件1棟につき戸数が10戸(10世帯)以上ある。
-
全国20都道府県で展開中
物件が主要都市エリアにある。
※詳しい対象エリアについてはお問い合わせください。
-
着床制限なし
着床制限のあるエレベーターが設置されていない。