オートロックマンションの置き配対応化で多発する宅配トラブルを解消。対応は不要で訴求のポイントに
LifeStyle株式会社
マンション事業やソリューション事業、マンション経営・投資の情報サイト「マンション経営大学」運営事業などを手掛けているLifeStyle株式会社さま。入居者さまにもオーナーさまにも喜ばれる管理物件の価値向上に向けた取り組みについて、お話を伺いました。
ー スマート置き配を導入する以前に、オートロックマンションの置き配対応をご存じでしたか?
西川さま: 当初は知らなかったのですが、物件管理をお願いしているクレアスコミュニティーさんから「こういうシステムがあるそうですよ」と教えていただきました。置き配というサービス自体は家族が利用していまして、不在にしていても荷物を受け取れる、在宅していても対応できない時は玄関外に置いておいてもらって後で取りに出られるので便利だという話は聞いています。ただ弊社の物件はオートロックを設置していますので、入居者さまに置き配を利用していただくのは難しいと思っていました。
ー スマート置き配を導入する以前に、宅配に関するトラブルはありましたか?
柴田さま: 誤配達が多数発生してしまい、荷物が宅配ボックスに入ったまま満杯になることが多くありました。あるマンションで1人の入居者が複数の宅配ボックスに荷物を長期放置しており、取り出しをお願いしたのですが、荷物を出してもらえず宅配ボックスに入ったままになってしまったことがありました。
他の入居者さまから「宅配ボックスがいっぱいで使えないのでどうにかしてほしい」とご連絡いただいた時は、宅配ボックスから荷物を取り出して管理人室で一時的に保管します。荷物が不要な場合、ネット通販会社に返送するのか破棄するのかを、該当の入居者さまご本人に決めてもらうのですが、お返事がいただけない場合は保管し続けることになり管理人室のスペースをとってしまいます。
ー 宅配に関するトラブルの解消のために検討した方法はありますか?
柴田さま: 宅配ボックスが度々満杯になる問題が起きていた早稲田の物件では、パックシティジャパンのPUDOステーションを導入しました。ただし設置条件などがあり、どこへでも設置できるわけではないようです。
ー スマート置き配を導入したきっかけを教えてください。
西川さま: 無料で導入できる点が大きかったですね。弊社の物件は分譲マンションなので管理に関する変更がある場合は使用細則を変更しなければならず、総会での承認が必要です。無料で導入できるシステムであること、不在でも荷物が受け取れることで最近満杯になりがちな宅配ボックスの問題が解消できることをお伝えしたところ、管理組合にはスムーズに承認していただきました。
宅配ボックスは40~60戸のマンションに10個程度の割合で設置していますが、満杯になることが多く、宅配ボックスを増やそうにも場所がない上に費用もかかります。簡単には増設できないこともあり、スマート置き配のシステムは導入する立場として非常にありがたいです。
ー 使用細則をどのように変更しましたか?
西川さま: ライナフさんからご提案いただいた案をそのまま使わせていただいています。現在の使用細則では廊下に物を置いてはいけない決まりですが、スマート置き配の導入時に「ドア前での長期放置は不可ですが配達された荷物を置くこと自体は許可します」という内容に変更しています。
ー 導入時に不安なことはありましたか?
西川さま: やはり配達された荷物が紛失するなどのトラブルが起きないかという点は心配でした。しかし導入してから紛失などの苦情はありません。
柴田さま: セキュリティについても、導入前に解錠のログが残る事をご説明いただけたので懸念を解消した状態で導入できたのではないかと思います。
ー 導入後に変化はありましたか?
柴田さま: 休日に時々マンション内部を見て回ると、部屋の外に荷物が置いてあるのを見かけます。置き配を利用されている入居者さまは一定数いらっしゃいますね。それも少しずつ利用が増えているようで、宅配ボックスが満杯になる割合が減ってきているので非常にありがたいです。
西川さま: 入居率アップといった具体的な結果はまだ見えていませんが、将来的にそこへつながっていくとうれしいですね。入居者さまは基本的に単身者が多く、2年や4年の更新時期に退去されるケースが多いので、ステッカーを貼るなどの方法で新しく入居された方への周知をしていきたいと考えています。
また、賃貸部門ではスマート置き配を導入している物件について情報共有し、入居者募集の際には図面などの資料に置き配システム導入マンションであることを記載して訴求ポイントとして打ち出していますので、引き続き利用率をあげられるようにしていきたいです。
ー 最初の導入後すぐの他の物件へ導入の背景を教えてください。
西川さま: 無料で導入できることでオーナーさんに提案しやすい点が大きいです。管理組合の総会が年に1回開かれるので、そのタイミングに合わせて文面での説明と資料送付を行い、関心を持っていただいたら総会の議案に挙げて「こんな便利なサービスがありますがどうされますか?」と提案しています。導入するかしないかはオーナーさんに決めてもらえばいいと思っていますし、セキュリティが心配といった理由で迷われるオーナーさんもいらっしゃいますが、弊社の物件に関してはほとんどの物件で承認していただいています。
ー 入居者さまからお問い合わせはありますか?
柴田さま: 今のところありません。私も2回ほど利用しましたが、きちんとドアの前に荷物が置いてありましたので便利だと感じました。置き配に関して管理会社として何か対応を要する事はないので助かっています。
ー 弊社のスマート置き配以外のサービスの印象を教えてください。
西川さま: 先日、築15年ほどのマンションでインターホンを全て入れ替えました。今後同じような物件が出てきますが、工事費は積立修繕金から出すとはいえ高額ですし、入居者さまが在宅している時でなければ工事ができないので日数がかかることを考えると、今スマート置き配で活用しているNinjaEntranceを利用したインターホンシステム(ライナフGate インターホン)も検討していきたいと考えています。
ー スマート置き配や弊社に求めることを教えてください。
西川さま: 現在、ヤマト運輸、アスクルなどがスマート置き配対応になっていてとても便利ですが、非対応の業者の荷物は従来通り宅配ボックスに入れていただくしかありませんので利用できる企業が広がってほしいです。誤配や満杯時にかかる手間を抑えていけたらと思っています。
ー 引き続きご支援できるよう改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました。
※掲載内容は取材当時のものです。