カメラの歴史
先日、某鍵の大手代理店様に、基調講演のために呼ばれました。
スマートロックメーカーの社長だから、として呼ばれたのですが、張り切って、カメラの変化について説明をさせていただきました。
いわゆる、フィルム式カメラの普及のきっかけは、コダックが1888年に販売をしたことです。
この時代は、コダック一強で、カメラのシェア90%以上、フィルムシェアも90%以上、現像店のチェーンはコダックのフランチャイズが95%、という状況だったそうです。
日本では、富士フィルムが1986年に、使い捨てカメラ「写ルンです」を発売しました。
日本で使い捨てカメラといえば、緑の富士フィルム製と、黄色のコダック製、の2種類しか記憶にありません。
アメリカではコダック1強でしたか、日本では富士フィルムとコダックが競っていました。
そして、長く続いてフィルムカメラ時代に、終止符が打てる時が来ます。
1995年、Windows95の発売と同じ年に、CASIOがデジタルカメラを発売します。このデジタルカメラがヒットし、世の中にデジタルカメラが増えていくのです。
デジタルカメラも、当初は「画像が荒い」「印刷に耐えられない」「印刷する機会がない」「パソコンを持っていない」「パソコンの処理能力が足りない」と、散々言われていましたね、懐かしい。
その後、デジタルカメラはぐんぐんと増え、パソコンも普及し、家庭用プリンターも高性能になっていきます。
そもそも、写真を撮影しても、印刷しなくなりましたしね・・・。
そして、2013年には、コダックが破綻します。
カメラの歴史を作ってきた、あのコダックが・・・。
日本全国に34,000店舗あった写真現像ショップは、どんどん減少し、2013年には9,000店舗まで減っていました。コダックの淘汰と同時に、4分の3の写真屋が、淘汰されました。
デジタルカメラの販売数はどんどん伸び、全国民が一人1台、持つ勢いでした。
2008年には、ピークの年間販売数1000万台まで伸びました。そこが、てっぺんでした。
そして、2008年には、iPhoneが発売されました。
まさにこの年から、デジタルカメラの販売数は落ちていきます。
2016年には、5分の1の200万台まで落ち、現在減っています。
デジカメを最初にヒットさせたCASIOは、2018年にデジカメから撤退しました。
結局、すべて、スマホに淘汰されてしまいました。
ですが、ここまで名前が出てきた中で、1社、カメラ事業から大きく進化した会社があります。
富士フィルムです。
2000年時点で、富士フィルムにとってカメラ事業は、全体の利益の70%を占めていました。
しかし、20年後の2019年には、1%未満です。
代わりに、カメラ現像で培った化学の研究開発力を使って、医療分野や美容分野で稼ぐ会社へと、変容しています。
そして、今回のコロナの中でも、「アビガン」を開発し、いち早く、特効薬に手を上げました。
どんな状況でも、会社は変われるのです。
そして、その会社を変えるのは、人なんです。
人が変われば、会社が変わる。
会社が変わらないのを嘆く暇があれば、自分が変わる方が、ずっと、近道です。