スマートロックはホテルで活用されるか
気づけば51つめの記事となりました。
たまに遅れながらも、なんとかここまで来ています。
さて、スマートロックを作っていると、よく「これからホテルでの活用が見込まれるのではないでしょうか?」と聞かれるのですが、これについては、私はNOだと思っています。
たぶん、このご質問をされている方は、AkerunさんがNTTドコモと組んで取り組んでいる、スマホでホテル予約&フロントを通さずに解錠、という仕組みを見て、当方にも同じビジネスモデルがあてはまるのではないかと思い、ご質問をされているのだと思います。
ホテルで部屋のキーを受け取るために、フロントで待つの手間がなくなる、ということですが、ではなぜ、フロントはあんなにも混んでいるのでしょうか?
インターネットで予約をする人、旅行会社経由で予約をしている人、皆さんフロントを通してじゃないと、鍵を受け取っていませんよね?
なぜかというと、旅館業法に規定されている「顧客台帳」を記載しているからです。
旅館業法には、旅館業を営む者は顧客の台帳を作る義務があり、そのため、フロントで名前と住所、連絡先を記載させられるのです。
だから、フロントはいつも混んでいる。
自分の名前、住所、連絡先なんて、ネット予約なら伝わっているはずですし、旅行会社経由だったとしても伝わっていると思います。
しかし、ネットや各旅行会社の各システムからバラバラのフォーマットで予約が入るため、台帳を作ろうとすると、従業員がそれらを転記するはめになります。
結果、ホテルは台帳を顧客自身に書いてもらっている、ということです。
単に鍵を受け渡すだけなら、事前にカードキーを封筒に入れて送ったり、旅行会社が渡してもいいわけです。
そうしないのは、この台帳への記入作業があるから。
つまり、スマートロックをホテルに取り付けたところで、この問題を片付けない限りフロント受付なしでお部屋に直行、はできないわけです。
でも、宿泊ではなく「ご休憩」でのホテル利用なら、このシステムもありかもしれませんね(ニヤっ)