株式会社ライナフ

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ベンチャーの敵となる大企業

2017, 06/14

ベンチャーの経営者で集まって飲んでいた時に、ひどい話を聞きました。
大企業と協業の話が浮かび、大企業の要望に沿う形で様々な仕様の対応、安全性検査などをこなして、いざ提携!となったタイミングで、大企業の上層部の鶴の一声で、まったく同じサービスを作られ、協業のはずがライバルになってしまった、という話です。
もちろん、NDA(機密保持契約)違反で訴訟に持ち込むことも可能かもしれませんが、ベンチャーが大企業と裁判で争うことは、まず不可能です。
というのも、大企業と裁判で争っている、という事実があると、多くのベンチャーキャピタルは出資を躊躇し、ベンチャーの生命線である資金調達が途切れるからです。
ドラマにもなった『下町ロケット』でも、大企業から訴訟を起こされて、銀行からの融資を止められ、起死回生の逆訴訟で勝つ下りがありますが、あれは大企業から提訴された場合の逆転劇であり、中小企業から大企業に訴訟を挑んだわけではありません。
ベンチャーは少ない資金と人数で経営しているものの、斬新なアイデアと熱意で新しいものを生み出し成長する経営です。
大企業が資本を使ってそのアイデアをそのままコピーすれば、あっという間にベンチャーと同じ水準のものを作れます。
ただ、大企業の担当者には、得てして「熱意」が足りていないため、結局その新規事業はベンチャーがやるほど伸びないケースが多いです。
資本主義という弱肉強食の中で戦っている以上、大企業が同じ市場に参入してくることは仕方のないことです。
しかし、欧米の場合は、斬新なビジネスを始めたベンチャーに対して、大企業は出資をしたり買収をしたりして自社のファミリーに手繰り寄せようとするのに対して、日本の大企業はすぐに敵対的な同サービスを立ち上げる傾向にある気がしてなりません。
「そんなに儲かるなら、自社でやろうよ。」となるわけです。
日本発で新しいビジネスが生まれづらいのは、こういった背景もあるのではないでしょうか???