企業は社員のためのものか
2024, 04/07
最近、ある社長さんに相談いただいた内容です。
「自社の古参社員が、会社の成長の妨げになっている。自分としては、一皮むけて成長してほしいが、なかなか変わらない。本人ととことん向き合って、一皮むける成長を期待していくのか、それとも、会社の障害にならない部署に異動してもらって、本人が自発的に変わるまで放置するか、どちらがよいでしょうか?」
私の答えは「社長さんが頭を悩ませるのは、会社・事業の成長であって、社員の成長ではありません。特定の社員の成長のためにそんなにまで悩み、意識を使うなら、その分を会社の成長に使いましょう。冷たいようですが、その社員の方には自分で気づくまでは会社の障害とならない場所に異動してもらい、場合によっては退職になるのもやむを得ないでしょう。」と伝えました。
社員の成長は、会社の成長にとって必要なものです。
ですがそれは、会社を成長させ、世の中に多くの価値を提供するための「手段」であり、社員の成長を目的として会社を考えると、「手段が目的となってしまっている」ことになります。
こんなことを言うと、古参の社員の方からは「会社が小さいときに、かなりのリスクをとって、こんなに尽くしてきたのに、会社が大きくなったらお払い箱か!ひどい話だ!」という声が聞こえてきそうなのですが。
仕方ありません。会社は前に進み続ける必要があるのです。
特定の人のために、立ち止まることはありえないのです。