株式会社ライナフ

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CEO BLOG
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全員参加とパワハラ

2017, 10/27

最近、パワハラという言葉について、考えさせられます。
自分は比較的、経営者の中でもマイルドで、言葉についても罵詈雑言を言うタイプではないので、パワハラとは無縁だと思っていました。
パワハラとは、言葉での、「死ね」とか「生きる価値がない」とか、そういったひどいことを言うことを指しているものだと思っていました。
しかし、僕のこの認識は間違っているのかもしれません。
さて、皆様は、下記の中で、どれがパワハラだと思いますか?
①プロジェクトが成功したときに、全員で飲みに行こう!メンバーは全員、参加だ!とマネージャーがメンバーへ言うこと。
②親睦を深めるために、合宿をしよう!となり、全員に参加を促すこと。
③飲み会の席で、メンバーの髪型についていじること。
④仕事において、集中力を欠いている人に、「もっと集中して終わらせよう。」と伝えること。
⑤同期入社が数人いる前で、「〇〇君は頑張った。」と、部下を褒める事。
何がパワハラか、というと、
①は、飲み会への強制参加、②は合宿への強制参加、③は本人が気にしていることに対してのパワハラ発言、④は、本人は集中しているつもりなので過度な仕事の要求、⑤は同期入社が数人いる中で特定の人物を褒めることでの過度のプレッシャーを与えること、
が、パワハラとしての可能性を感じます。
セクハラという言葉が生まれたときにも、同様の議論がおきました。
何がセクハラなのか?
髪型を褒めたらセクハラか?服装を褒めたらセクハラか?彼氏の有無を聞いたらセクハラか?化粧を褒めたらセクハラか?結婚しているの?と聞いたらセクハラか?
結論として、「相手が嫌だと感じたらセクハラ」というのが、今の主流の考え方です。
その結果、もともと褒めることに慣れていない日本人の年配男性は、髪型や服装をますます褒めなくなっていきました。
僕が、パワハラについて考えるようになったのは、自分の中での線引き、ひいては会社としての線引きのスタンスが必要だと思ったからです。
一番恐ろしいのは、『パワハラだ』、と言われるのを恐れて、誰も、飲もうよ!とか、休日に遊ぼう!とか言えなくなったり、仕事上の注意ができなくなることだと思っています。
それこそ、僕が社員の誰かを誘うことについて、ちゃんと承諾を取ったつもりでも、後々に「本当は嫌だったんだけれど、断れる雰囲気ではなかった。」と言われる可能性があります。
その事態になることを僕が恐れて、社員の誰も自分から誘わなくなる、誰かに誘ってもらうのをいつまでも待っている、ような事態にはしたくないわけです。
だから、パワハラについては、真摯に向き合って、考えています。
(ちなみに、同じ理屈でセクハラについても、セクハラと言われることを恐れて、異性に対してプライベートの恋愛の話や容姿についてのコメントというのは難しくなっていると思いますが、会社は恋愛をしに来ている場所ではないので、無理に線引きを厳格にする必要はなく、「相手が嫌だと思ったらアウト」でいいと思っています。その弊害として起きる、異性を褒められないじゃないか!異性の同僚と恋愛の話ができないじゃないか!とう点については、別にその手の話をしなくてもいいんじゃない?ということです。)
何がパワハラで何がパワハラじゃないのか。
それを決めるのは、社員全員の価値観であり、それはつまり、会社の社風がそれを決めていくことになるのだと思います。