大手企業の経験はベンチャーで活かせるのか
現在、ライナフはベンチャー支援プログラム(アクセラレータプログラム、とも言います。)を3つ受けています。
国主催が1つ、自治体主催が1つ、大手企業主催が1つです。
支援プログラムの中身は、主にメンターと呼ばれる先生がそれぞれのベンチャーに数名ついて、ベンチャーが抱えている課題の解決をお手伝いしてくれるという内容です。
多くのメンターの先生方は、現在大企業にお勤めで、その中で新規事業創造や企業提携の分野で役職についていらっしゃっていて、大変有意義なディスカッションをさせていただいております・・・・。
という、美しい建前を置いておいて、ここからは、大変、生意気を申し上げます。
これを御覧いただいている大手企業の方々、ご支援いただいている大手企業の方には、気を悪くされる方もいらっしゃると思いますので、読まない方がよいと思います。
大手企業に勤務されている方は、まさにその道のプロフェッショナルです。
その道のプロフェッショナル、というのは、大手企業の中でその分野についてのプロフェッショナル、という意味です。
例えば、不動産のプロ、と一言でいっても、戸建て、マンション、ビル、土地という分野にわかれ、また、開発、新築、中古、リフォーム、と分かれ、仲介、直売、建設、転売、などの分野に分かれます。
最近ではさらに、不動産金融という分野もあり、より複雑です。
世の中の仕事というものは、そのように細かく分かれるものであって、大手企業の役職者というのは、それら細かく分かれた分野のプロであり、また、会社組織として動くプロであるのです。
そういったプロ企業戦士の方に、「君の事業は~~~」「新規事業は~~~」とお話をいただくと、どうしても思うのが「この方々は自分で、0から事業を、ひいては会社を作ったことがあるのだろうか?」「僕のやっている分野を、僕以上に知っているのだろうか?」と思わずにはいられないのです。
どうしても、違和感を感じるのです。
メンターの方々は、忙しい中、支援プログラムに時間を割いて来てくださっています。
ですので、メンターの方々を批判するのは的が外れていると思っています。
僕はむしろ、支援プログラムを組んでいる主催者の方々こそ、もっと、深く考えていただきたいと思います。
もし、ベンチャーの経営者の支援をするなら、同じようにベンチャーとして道を歩み、多くの事業や価値を生み出してきた人の方が向いているのではないか?
大手企業の人が、自分の本職とは別の部分でアドバイスを突然求められて、どういったことを答えられるのか?
自分の人生を起業に賭けた人間と、会社の中に人生を賭けた人間に温度差はないのか?
正直なところ、表面だけのアドバイスではなく、本質的なアドバイスを送れるのは、ベンチャーを起業した人しかいないと思っています。
次に、ベンチャー企業をたくさん見てきた、ベンチャーキャピタリストや税理士、会計士などの分野の方々。
大手企業で勤め続けている方こそ、最もベンチャーへのアドバイスという面では、不向きではないかと思うのです。
これを読んで「そんなことはない!大手をバカにするな!生意気だ!」と思われた方。
もし、10年前のFacebookが、Airbnbが、Uberが、御社に出資や提携の相談に来た時に、前向きに検討できますか?
もし仮に、あなたが検討をしたいと思ったときに、会社としてのGOを取り付ける自信がありますか?
たぶん、Facebookには「インターネットで顔を出すなんてありえない。」、Airbnbには「他人を家に泊めるなんてありえない。」、Uberには「白タクじゃないか。」と反応して、そこから先のビジネスモデルを見通すことはなかったのではないでしょうか?
なお、私も支援プログラムの中で、上記のようなお叱りをメンターである大手企業の方からいただきます。
ビジネスの相談に来ているのに、ビジネスの批判だけされる。
そんな支援プログラムは、何も支援していない!!と、叫ばせていただきます。
なお、現在ご支援いただいているメンターの方々で、本ブログを読んで「生意気すぎる。もう、支援してやらねー。」って思った方には、下記のメッセージを送って、本記事を締めようと思い。
「あなたからのアドバイスだけは、例外です!!いつも、ご支援いただき大変感謝しています!!!(土下座)」