苦労とは差別化するための手段である
今まで、世の中になかった新しい事業をやっていると、それはもう、苦労の連続です。
サービスを作ることは当然ですが、顧客を開拓する営業面、運用フローの構築、アフターフォロー。
本当に、「なんでこんなに苦労するのだろう?」っていうくらい、苦労をします。
僕が、というよりは、会社全体で。
ですが、いつも思うのです。
もし、他社が同じことをやろうとすると、同じ苦労の道を歩くことになります。
その苦労の道を超えるためには、かなりの熱意がないと、「こんなに苦労するなら止めておこう。」となり、途中で立ち止まることが多いです。
実際に、スマートロックの分野は、過去に多くの企業が参入してきましたが、みんな、途中で諦めていなくなりました。
逆に、苦労の少ない分野はどうでしょうか。
うまくいっている様子が見えた瞬間、大手企業もベンチャーも、みんな同じ事業を立ち上げられ、より、差別化ができず、資金力のない企業から先に脱落をしていきます。
キャッシュレスの決済分野など、その典型ですね。
ベンチャーが先行していましたが、大手企業が参入した途端、ベンチャーは退場し、大手の中でも特に資金力のあるところだけが残っていきました。
キャッシュレス決済の分野は、苦労をする部分がシステム構築ではなく、加盟店を増やす部分です。その部分では、大手企業の物量には勝てません。
苦労が多い分野で仕事をすること。それは、裏を返せば、他社が簡単には追いつけない参入障壁の多い、茨の道であるということです。
茨の道を歩ききって、その先の収益化フェーズまで耐え抜き、そのあと、競合が真似をしようとしても、自分たちと同じレベルの茨の道を歩かなくてはいけない、となったとき、もう、この分野で追い抜かれることはないのでしょう。
苦労は、悪い事ばかりではないのです。