顧客のニーズ、クレームにはどこまで対応すべきなのか?
最近、年末になると「除夜の鐘が近隣のクレームによってなくなった」というニュースを聞きます。
で、だいたいのメディアでは「世知辛いねぇ。」「寂しくなったものだ。」「クレームなんて気にしなくていいのに。」ってコメントなのですが、実際に、中止になっている背景を考えると、そんな世論よりも目の前のクレームの方が、ずっと深刻なのでしょう。
会社が活動をする中で、顧客のニーズや要望、クレームというものは、とても大事だと思います。
そこには、売れるようにするための改善点や次の商品に対してのアイデア、他社との差別化ポイントが含まれているからです。
ただ、一方で、耳を傾けてはいけない要望もあると思います。
良い例が、あるシャンプーの話です。
テレビCMもたくさんしていて、売上本数No1のブランドで、ドラッグストアではいつも、詰め替え用が298~398円くらいで売っている、僕もずっと使っているシャンプーなのですが、詰め替えパックの口が最近、すごく小さくなって、詰め替えをするのに1分、余計にかかるようになったのです。
で、こうなった背景が、「詰め替えパックからボトルに入れるときに、うっかり外にこぼすことが多いから、もっと口を小さくしろ!」というクレームだったとか。
僕は、以前の詰め替えパックでも失敗はしなかったですし、小さい口じゃないと詰め替えるのが難しい方は、切り口を使わずにハサミで先っぽだけ切れば良いのでは・・・と思ったのですが、シャンプーメーカーは、そのクレームを受け入れたようです。
その結果、今までよりも1分、余計に時間がかかるようになりました。
僕だけではなく、このシャンプーを使っている全員が、1分、余計な時間を使うことになったのです。
日本での売り上げ本数No1のブランドのため、数千万分の時間が失われたことになります。
ライナフにも、日々、多くの要望が現場から聞こえてきます。
どの要望・クレームを受け入れ、どの要望・クレームを黙殺するのか。
そのバランス感覚が、会社の生死を決めるのではないかと思うのでした。