株式会社ライナフ

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骨髄移植体験記その6

2018, 05/12

手術が終わった日の夜、麻酔が切れてきて腰が痛くなってきました。

鈍痛、という感じです。

でも、思ったよりは痛くはなく、「この程度の痛みで命が助かるなら、安いもんだはっはっは。」と思って寝ました。

次の日の朝、看護師さんから

「どうですか?痛いですか?もし、痛くても動けるようなら、今日、退院しても良いですし、もう一泊しても良いですけど、どうしますか?」と言われました。

確かに、腰は痛いものの、病院にいても暇なので、退院をさせてもらうことにしました。

入院期間中に誰かがお見舞いに来ることもなく(健康なんだから当然)、送り迎えに誰かが来てくれることもなく(頼んでないんだから当然)、一人で荷物をまとめ、最短入院期間である2泊3日で、大学病院を後にしました。

なお、今回の入院・手術に際し、日本骨髄バンクからお金をいただきました!!

その金額、なんと!!!

5,000円!!!

入院支度金として、とのこと。

お金を期待してやったわけではないので、この5,000円はありがたく使わせていただきました。
話のネタとして(笑)

骨髄移植をすると、患者さんの血液型はドナーの血液型と同じになり、DNAも完全に同じになります。
血液型は、患者とドナーの適合にはあまり関係ないようです。

つまり、A型の人が僕の骨髄を移植されたら、O型になり、体内に流れ血液は僕と100%同じになります。

100%同じDNA、血液が流れている人は、一卵性双生児か、骨髄移植か、の2パターンしかありません。

今回は、僕の体内からとった骨髄液の量が少なかったため、推定では、2,3歳の子供の手術じゃないかと言われました。

もし、この手術が無事に成功をしていたら、今ごろは17歳くらいのはずです。

日本のどこかに、僕とまったく同じ血液が流れている17歳がいる!!

そう考えるだけで、僕がこの世に生まれてきた意味を、十分に感じることができる事実です。

いつか、偶然すれ違ったり、仕事で出会ったりして、お互い話が合うなーと思ったら、実は昔、骨髄移植を受けていた、なんてことがわかって・・・・なんて、小説のようなことを妄想してワクワクしたりしています。

僕はよく、取材などに「人の役に立ちたくて起業したんですよねー。」って話をしているのですが、記者の方によっては「はいはい、社長さんみんなそう言いますから。」って感じの対応をされます。

そのたびに、「いや、僕は本気で人の役に立とうと思って生きていて、ほら、ここに手術跡があるように、骨髄だって提供したんだよ!」と言いたくなります(笑)

人の役に立つために、生きている。

そう想っているDNAが、日本に2人いる、というお話でした。(おわり)