賃貸物件の人気を高める設備とは? 設備投資の考え方を解説
賃貸物件を選ぶ際に重要視する条件は人によって異なります。しかし、人気の設備と「これがないならNG」の設備は押さえておくべきです。
今回は、賃貸物件の人気設備と避けられる設備、設備投資の考え方などを紹介します。
目次
【賃貸物件の人気設備】
全国賃貸住宅新聞が実施した「入居者に人気の設備ランキング2023 必須編」によると、単身者向けは1位がエアコン、2位がTVモニター付きインターホン、3位が室内洗濯機置き場でした。また、ファミリー向けも1位はエアコンで、2位は室内洗濯機置き場、3位はTVモニター付きインターホンという結果です。
かつてはエアコンやTVモニター付きインターホンもない賃貸物件がほとんどでした。しかし近年は入居希望者にとって必須=あって当然の設備として認識されています。
選ばれる賃貸物件の設備については、「選ばれる賃貸物件とは? 必須の設備と付加価値になる設備をランキングで紹介」の記事をご覧ください。
【そもそも賃貸物件で重要な条件】
賃貸物件を選択した理由について、国土交通省が実施した「令和4年度住宅市場動向調査報告書」をみてみます。「民間賃貸住宅入居世帯における住宅の選択理由」は、以下の結果でした。
理由 | |
1位 | 家賃が適切だったから |
2位 | 住宅の立地環境が良かったから |
3位 | 住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから |
家賃や立地環境が重要なのは言うまでもありませんが、注目すべきは設備も注目されている点です。物件のオーナーは家賃を下げることに抵抗があるでしょう。物件の立地も後から変えることは不可能です。その点、設備を新しく導入することは比較的実現しやすく、物件を選んでもらう理由としても効果的なため、検討すべきといえます。
【人気設備よりも注目すべきは避けられる設備】
全国賃貸住宅新聞は「入居者に人気の設備ランキング2023番外編」として、避けられる設備のランキングも発表しています。トップ10は以下のとおりです。
設備 | 件数 | |
1位 | 3点ユニットバス | 158 |
2位 | 室外洗濯機置き場 | 63 |
3位 | バランス釜 | 39 |
4位 | 和室(畳) | 19 |
5位 | 和式トイレ | 15 |
6位 | チャイム | 10 |
7位 | ガスコンロ | 9 |
8位 | プロパンガス | 9 |
9位 | IHクッキングヒーター | 8 |
10位 | オール電化 | 7 |
トップ3となった3点ユニットバス、室外洗濯機置き場、バランス釜は衛生面に影響する、日々の利用において不便を感じ続けることになるといった理由が考えられます。
こうした不人気な設備は交換するに越したことはないものの、費用がかかります。そこで注目すべきは、設備の差が家賃にどの程度影響するかです。例えば、3点ユニットバスとバス・トイレ別の物件では、地域や諸条件にもよりますが、家賃が1万円以上高くても入居率が高いケースがあります。
言い換えると、不人気設備の交換にかかる費用に対して、空室期間がどの程度短縮できそうか、家賃を上げたとして何ヶ月で回収できそうか、試算することが重要です。
【「当たり前の基準」を更新することが不可欠】
時代の変化に伴い、賃貸物件に求める「あって当たり前の設備」も変わってきました。賃貸物件を探す際に必須の設備として選択されやすいものは以下のとおりです。
- エアコン
- シャワートイレ
- バス・トイレ別
- 独立洗面台
- コンロ(ガス・IH)
- TVモニター付きインターホン
また、新型コロナウイルス感染拡大が大きなきっかけとなり、非対面での荷物の受け取りが浸透したことで宅配ボックスの有無を重視する人も増えました。
今後はさらにセキュリティ対策を気にする、今以上にスマートフォンで生活を便利にするといった文脈で当たり前の基準が変わっていく可能性もあります。今の設備で入居者がいるからと油断せず、時代の変化を見据えて適切な設備投資をすることが家賃収入を最大化するポイントとなるでしょう。
【設備投資の考え方】
実際に設備を入れ替えるかどうか判断する際は、以下の観点で検討しましょう。
-入居者のニーズを満たせるか
入居者に人気の設備だからといって、すべてを導入する必要はありません。地域や入居者の属性から、優先順位が高い設備を見極めることが必要です。
-投資した費用を回収できそうか
設備の入れ替えにかかる費用が家賃収入で回収できなければ、本末転倒です。中長期的に回収できる見込みか、試算したうえで判断することをおすすめします。
-周辺の物件と比較して差別化できるか(劣っていないか)
例えばインターネット無料の物件が多い地域では、インターネットがなければ劣ってしまいます。一方で、高速インターネットが無料な物件は他の物件より選ばれやすくなります。周辺の物件と比較することは欠かせません。
-物件を検索するポータルサイトでふるいにかけられないか
避けられる設備のように、そもそもポータルサイトで条件選択時に候補から消えてしまうと入居者の目に留まることさえありません。最低限の露出を確保できるかどうかは非常に重要です。
【今後、注目される設備とは】
生活の利便性、安全性の観点から、宅配ボックスや置き配、スマートロックに注目が集まりつつあります。ECサイトで買い物をする人が年々増えているため、荷物の受け取り回数も比例して伸びています。そのため、宅配ボックスが使える、置き配指定ができる物件は便利と感じてもらいやすいでしょう。
また、昨今はセキュリティ対策も重要視されています。エントランスのオートロックやTVモニター付きインターフォンはもちろん、スマートロックも徐々に広まっています。スマートロックは鍵の紛失や無断で複製といったリスクがないうえ、玄関ドアもオートロック化が可能です。また、荷物の運送会社に一時的にエントランスのオートロックを解錠できるデジタルキーを発行できる商品もあり、置き配も履歴を残しつつ安心して利用できるようになります。
設備投資がそこまで大きくない製品もあるので、検討してはいかがでしょうか。
-利便性と安全性を高めるスマートロック「NinjaLockM」
NinjaLockMは玄関のドアに後付できるスマートロックです。設置にあたって工事は不要で、さまざまなサムターンに対応しています。
特徴は2つのオートロック機能を搭載している安全性の高さです。鍵を開けたあとに閉まるオートロックに加え、指定した時間に自動で施錠するタイマーオートロック機能があります。
また、解錠はスマートフォンの専用アプリ、暗証番号、ICカードから選択できるため、生活スタイルと相性の良い方法で利用できるでしょう。
NinjaLockMの詳細はこちらをご覧ください。
-共用エントランスをスマートロックにできるライナフGate
ライナフGateは、株式会社ライナフが提供する顔認証で解錠できるスマートロックです。鍵を開けるという作業そのものが不要なため、荷物で手が塞がっている、コンビニまで手ぶらで外出、といった場合もスムーズに入室できます。
また、スマートロックを利用することで置き配も便利になります。配送会社にデジタルキーを発行することで、オートロックの物件でも玄関前に置き配が可能です。解錠できるのは一時的かつ解錠の履歴が残ることから、セキュリティ面でも安心して利用できるでしょう。
事実、ライナフGateの利用者満足度は94%と高く、置き配対応物件の入居希望割合も81%となっています。
置き配に関するアンケート結果は「置き配は利用されている? 置き配に関する調査結果を大公開」をご覧ください。
また、スマート置き配についてはこちらをご覧ください。
【まとめ】
入居者にとって、賃貸物件の設備は軽視できなくなっています。最低限必要な設備、あったら嬉しい設備を的確に捉え、周辺の物件と差別化したり見劣りしないように更新したりすることが欠かせません。
求められる設備は時代とともに変わってきました。そのため、今後も変わっていく可能性があります。より便利に、より安全に過ごせるような物件を見据えて、投資した費用を回収できる形で設備投資していくことをおすすめします。