スマートロックは普及する? スマートロックのメリットと普及の可能性を解説
「スマートロック」を見聞きしたことがある人は、少しずつ増えていると思います。しかし、賃貸物件でスマートロックが設置されているケースはまだ多くはありません。
今回は、スマートロックの普及率と市場規模、メリットから、スマートロックの可能性を紹介します。
目次
【スマートロックの普及率】
日本ではまだスマートロックを知らない人が少なくありません。ある調査では2020年時点のスマートロック普及率は0.3%とされていますが、そもそも日本のスマートロック普及率に関する調査結果がほとんどない状態です。一方でアメリカは2020年時点で15%と、スマートロックの普及が進みつつあります。
これは鍵に対する認識の違いが大きく影響しています。日本では鍵はドアの一部であり、選択して購入するものという認識がほとんどありません。しかし海外ではホームセンターに大量の鍵が陳列されており、機能やデザインを比較して自ら選ぶことが当たり前となっています。
鍵に対する考え方の違いから、日本はまだスマートロックが普及しやすいとは言えないでしょう。しかし、スマートロックが普及している海外から考え方や事例、効果が輸入される可能性は大いにあります。
【アメリカではスマート家電よりも普及している】
RoomClipが実施したスマートホームに関する調査で、スマート家電の所有率を比較したものがあります。アメリカで所有率の高いスマート家電は、1位がエンターテインメント(Bluetoothスピーカー、スマートテレビ、ストリーミング機器など)、2位が照明・電源機器(スマートプラグ、スマート照明など)、3位が安全、セキュリティ機器(防犯カメラ、スマートロックなど)となっていました。スマートロックは生活家電(ロボット掃除機、スマート冷蔵庫、レンジなど)を上回っているのです。
日本では音声アシスタント付きスマートスピーカー、生活家電、エンターテインメントが上位を占めており、生活の利便性が重要視されている傾向が見て取れます。
だからといって日本でスマートロックが普及しないとは言えません。自動車の鍵が最たる例です。かつては物理キーが主流でしたが、1990年代途中からリモコンキーが徐々に広まり、現在はタッチしたり鍵を持って近づけば解錠できたりするスマートキーが標準装備となりました。そのため、スマートロックも今後広まっていく可能性は大いにあると言えるでしょう。
【スマートロックの市場規模】
株式会社グローバルインフォメーションの調査によると、日本のスマートロック市場は2021年時点で2億5,952万ドル規模、2028年には2億7,390万ドル規模に成長すると予測されています。
7年で108%ほどの成長と見れば緩やかな伸びに思われるかもしれません。しかし、世界でみると2022年時点で54億9,487万ドルが2028年には67億9,150万ドルに成長すると予測されており、6年で123.5%の成長が見込まれているのです。
注目すべきは、家庭用が主要セグメントであることです。2021年時点で79.53%以上が家庭用のスマートロックであることから、現在の日本の普及率を鑑みると大きな成長市場と捉えることができるでしょう。
【注目すべきはスマートロックの利便性と安全性】
スマートロックのメリットは大きくわけて利便性と安全性があります。それぞれ紹介します。
-鍵を持ち歩く必要がない
スマートロックはスマートフォンや暗証番号、カードキーなどで解錠できるため、物理的に鍵を持ち歩く必要がありません。スマートフォンで電子マネーやクレジットカードを利用する人は、スマートフォンだけ持って外出できるようになります。
-鍵を閉め忘れる心配がない
ほとんどのスマートロックはオートロック方式です。玄関を出たら勝手に施錠されるため、急いでいるときや親が手を離せないタイミングで子どもが外出したときも、自動で施錠されます。雨の日など家を出てから鍵を閉めた後に鍵をしまうこともなくなるため、非常に便利です。
-一時的な解錠に対応
例えば実家の家族が家に来る場合、合鍵を渡していなければ家族を迎えるために家にいる必要があります。しかしスマートロックでは、一時的に解錠できるよう設定が可能です。家族が来る時間帯に一時的な解錠を設定しておけば、万が一在宅できなくても家族は家に入ることができます。
-鍵の紛失リスクがない
そもそも鍵を持ち歩くことがないため、鍵の紛失リスクがありません。また、鍵の盗難や無断で複製されることもなくなるため、安全性を高めることができます。
-解錠の履歴が残る
万が一不審な点を見つけた際は、スマートロックの解錠履歴を確認することができます。防犯カメラとセットで設置しておけば、映像と解錠履歴からいつ、誰が入室したか特定することも可能です。また、子育て世帯では子どもが家についたことを履歴から確認できるなど、セキュリティ対策としても効果的です。
【簡単に設置できるスマートロック】
現時点ではまだ普及しているとは言えませんが、今後スマートロックの導入が増える可能性はあります。自動車の鍵や海外での普及率から、セキュリティ対策や生活の利便性に敏感な日本人と相性が良いと言えるためです。
設置が簡単なスマートロックもあるため、玄関ドア用のスマートロックと共用部のエントランスに設置できるスマートロック、それぞれ紹介します。
-手軽に利便性と安全性を高めるスマートロック「NinjaLockM」
NinjaLockMは玄関のドアに後付できるスマートロックです。設置にあたって工事は不要で、さまざまなサムターンに対応しています。
特徴は2つのオートロック機能を搭載している安全性の高さです。鍵を開けたあとに閉まるオートロックに加え、指定した時間に自動で施錠するタイマーオートロック機能があります。
また、解錠はスマートフォンの専用アプリ、暗証番号、ICカードから選択できるため、生活スタイルと相性の良い方法で利用できるでしょう。NinjaLockMの詳細はこちらをご覧ください。
-共用エントランスをスマートロックにできるライナフGate
ライナフGateは、株式会社ライナフが提供する顔認証で解錠できるスマートロックです。鍵を開けるという作業そのものが不要なため、荷物で手が塞がっている、コンビニまで手ぶらで外出、といった場合もスムーズに入室できます。
また、スマートロックを利用することで置き配も便利になります。配送会社にデジタルキーを発行することで、オートロックの物件でも玄関前に置き配が可能です。解錠できるのは一時的かつ解錠の履歴が残ることから、セキュリティ面でも安心して利用できるでしょう。
事実、ライナフGateの利用者満足度は94%と高く、置き配対応物件の入居希望割合も81%となっています。置き配に関するアンケート結果は「置き配は利用されている? 置き配に関する調査結果を大公開」をご覧ください。また、スマート置き配についてはこちらをご覧ください。
【まとめ】
日本においてスマートロックはマイナーです。しかし、アメリカでの普及率やスマートロック導入のメリットを考えると、日本人と非常に相性の良いツールであることは間違いないでしょう。スマートロックについて知られていないことが多いため、設置にかかる工数や費用が大きく見積もられている可能性も考えられます。
しかし、賃貸物件を保有し利益を得ている人にとっては、スマートロックは手軽に導入できて周囲の物件と差別化できる、便利なツールです。物件の価値を高めるだけでなく、鍵の管理という手間を省けるためです。
スマートロックについて調べ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。