エスキモーに氷を売れますか?
有名な営業の本のタイトルで、「エスキモーに氷を売る」というものがあります。
ナイスなタイトルですよね、これ。
エスキモーという氷に囲まれている人たちに、氷を売ることができますか?というものです。
ちなみにこの本のサブタイトルは、「魅力のない商品を、いかにセールスするか」です(笑)
これは、営業をする上でとても大事な視点だと思います。
売れない営業は、どの会社でも必ず以下の理由を言います。
・他社よりも価格が高いから。
・まだ市場が出来ていないから。
・品質が他社よりも低いから。
・機能が足りないから。
・デザインが悪いから。
・ブランド力がないから。
これらの理由を全てクリアした製品を作るとすると、
・他社よりも安くて、高機能で、デザインが良くて、品質がよくて、ブランド力が良くて、世の中に認知されている。
ということになります。
仮にそのような商品だとしたら、社長は、これだけ魅力的な商品を他社よりも安く売るのは、単に値付けが間違っている証拠ですから、価格を3倍くらいに引き上げますよね。
そうすると、結局は他社よりも価格が高い、けど高品質高機能、となります。
営業の人にとって大事なのは、売れない理由を説明する能力ではなく、売るための理由、ロジックを考える力です。
頭の体操だと思って、本当にエスキモーに氷を売るためには、あなたならどうするか、考えてみてください。
案1: その氷をパウダー状に砕いて、シロップをかけて、かき氷という食品として売る。
案2: ハリウッドスターにその氷を抱きしめてもらい、「〇〇が抱きしめた氷」としてファンに売る。
案3: 彫刻家に削ってもらい、氷のオブジェにして売る。
案4: 「この氷を毎日さわると、幸運が舞い込む」という広告を雑誌の最後に載せる。
最後のは冗談ですが、全てに共通するのは、いかにその氷に付加価値をつけて提案するか、ということです。
売れない理由を商品のせいにして諦めた瞬間に、この付加価値を提案する思考が止まります。
だから、売れない理由を並べるぐらいなら、売る方法を並べる方が100倍建設的なのです。