会社の立場と個人の立場
新しい人事制度を作っている中で、何度か「会社の立場にたって」という言葉を使いました。
主に、マネージャーに求められる役割の中で使っている言葉です。
この、「会社の立場にたって」というのが、とても抽象的に聞こえる人と、具体的に理解できる人といるようなので、僕自身のまとめも兼ねて、会社の立場、とは何かを考えてみたいと思います。
会社の立場:
・従業員全体の満足度の最適化を考える
・株主全体の満足度(=利益)の最適化を考える
・事業の継続性を考える
・社会への貢献を考える
個人の立場:
・自分の利益の最大化を考える
・自分の働き方の最適化を考える
・自分のやりがいの最適化を考える
・自分のキャリアの最適化を考える
社会人になると、最初はみんな、個人の立場で考えます。
上記の例にあげると、
・利益の最大化 → 給料が高い方が良い
・働き方の最適化 →残業はない方がよい
・やりがいの最適化 →面白い仕事が良い
・キャリアの最適化 →転職しやすい能力を身に着けた方が良い
当然のことであり、これを否定するつもりはありません。
一方で、全員が個人の立場しか考えない場合、それは会社ではありません。
会社の立場をよりかみ砕いて説明すると、
・従業員全体の満足度の最適化 →公平感のある給与体制
・株主全体の満足度の最適化 →利益を従業員に配分したのち、適切な利益を還元する
・事業の継続性 →過度に従業員や株主に還元せず、継続的に事業を継続するための再投資もしくは貯蓄をする
・社会への貢献 →会社の存在意義として、社会への貢献する事業に絞る
となります。
社会人になって5年目くらいまでは、個人の立場しか考えられないのは当然だと思いますが、ある年齢を超えてからは、この会社の立場、会社の視点でモノを見ることが出来ない限りは、良いビジネスマンになることはないでしょう。
経営者とは、全てを会社の立場で見る職種ですが、経営者ではない人でもこの会社の立場を理解できる人とできない人では、その後のキャリアに大きな差がつくことになると思います。