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【基礎知識】手軽に導入できるクラウド型の顔認証。その魅力とは?

ライナフGate」ブログチームです。

顔認証システムには「クラウド型」「エッジ型」の2種類があります。

近年はBtoBのシステムにおけるクラウド化が進んでおり、クラウド型の顔認証システムに興味があるかたもいらっしゃると思います。とはいえ、クラウド型の特徴やメリット・デメリット、自社の運用に合うかどうか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、クラウド型の顔認証システムの詳細やメリット・デメリット・活用シーンについて紹介していきます。


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目次[非表示]

  1. 1.クラウド型の顔認証システムとは
    1. 1.1.クラウドとは
    2. 1.2.顔認証システムとは
    3. 1.3.顔認証システムのクラウド化とは
    4. 1.4.エッジ認証との違い
  2. 2.クラウド型の顔認証システムのメリット
    1. 2.1.顔写真の登録が簡単
    2. 2.2.データ管理・活用がしやすい
    3. 2.3.サーバーの構築・管理が不要
    4. 2.4.汎用的なデバイスも活用できる
    5. 2.5.セキュリティ性が高い
    6. 2.6.複数の拠点で利用できる
  3. 3.クラウド型の顔認証システムのデメリット
    1. 3.1.セキュリティ面での不安を懸念されやすい
    2. 3.2.カスタマイズ性に乏しい
    3. 3.3.システム障害時に利用できなくなる
    4. 3.4.利用者に最低限のWebの知識が必要
  4. 4.クラウド型の顔認証システムの利用・活用シーン
    1. 4.1.マンションエントランスのオートロック解錠
    2. 4.2.オフィス等での入退館管理
    3. 4.3.オフィス等での勤怠管理
    4. 4.4.店舗での顔認証による決済
    5. 4.5.電車・バス等でのチケットレス乗車・決済
    6. 4.6.ジム・オフィス等の複数拠点間での本人確認
  5. 5.クラウド型顔認証システムの注意点
    1. 5.1.プライバシー(個人情報)の問題
    2. 5.2.認証スピードの問題
  6. 6.まとめ


クラウド型の顔認証システムとは

クラウド型の顔認証システムとは、文字通り「クラウド」上で運用される「顔認証システム」のことを指します。

まずは「クラウド」と「顔認証システム」について理解を深めましょう。


クラウドとは

クラウドとは、インターネット経由でユーザーにサービスを提供する利用形態のことを指します。従来は専用のソフトやデータを端末にダウンロードして利用していましたが、クラウドではオンライン上でソフトウェアの利用やデータのやり取りが可能になります。

例えば、Google社が提供するGmailやGoogle フォト、Apple社が提供するiCloud等が挙げられます。

自社で専用サーバー等を用意・管理する必要が無く、オンライン上ですぐにサービスを受けることができるのが特徴です。


顔認証システムとは

顔認証システムは、指紋認証・光彩認証・静脈認証などど同じ「生体認証」と呼ばれる認証方法の一つです。カメラで撮影した映像から人の顔を検出し、予めデータベースに登録された顔データと照合することで本人確認・認証を行います。顔認証システムには、ディープラーニングされた人工知能(AI)が利用されれいます。

具体的には、目・鼻・口などの特徴的な位置や顔における比率・顔の大きさ等、顔に関する様々な要素をもとにデータベースとの照合を行います。

事前に自身の顔写真を登録する必要があり、専用機器での登録・専用アプリでの登録・専用Webサイトでの登録などシステムにより方法が異なります。


顔認証システムのクラウド化とは

クラウド型の顔認証システムは、顔写真データをクラウド上で保管し、撮影した顔写真データとクラウド上の顔写真データを照合し、認証できるようにする仕組みです。

クラウド上に顔写真データを保存し、活用するというのが最大の特徴です。


エッジ認証との違い

クラウド型と対の方法として「エッジ型」と呼ばれるものがあります。
エッジ端末(利用場所に設置する端末)に顔認証システムを組み込み、エッジ端末内に顔写真データを保存して照合・認証を行います。

クラウドへのデータ送受信・クラウドでのデータ処理が無いため、スピーディーな認証が可能になっています。一方、自社でサーバーを構築・準備・管理する必要があり手間がかかりますが、クラウド型には無い高い柔軟性と拡張性を持っています。

どちらも一長一短があるので、利用目的を明確にしたうえで選定する必要があります。


クラウド型の顔認証システムのメリット

では、クラウド型の顔認証システムのメリットはなんでしょうか?
詳しく解説していきます。


顔写真の登録が簡単

エッジ型では専用の機器で顔写真を登録する必要があり、登録の手間がネックになっていました。
クラウド型では、専用のアプリやWebサイトを経由し、顔写真をアップロードするだけで済みます。わざわざ端末の前で操作・撮影する必要が無く、自宅で手軽に撮影してアップロードができます。また、写真の変更・削除も自身で簡単に行えるため、利用者の利便性が格段に上がります。

例えばマンションのエントランスで導入する場合、エッジ型であれば入居後にエントランスの機器で登録が必要となります。一方、クラウド型であれば、事前にスマートフォン等から顔写真データをアップロードしておけば、入居当日から顔認証でエントランスを解錠することが可能です。


データ管理・活用がしやすい

登録された顔写真データはクラウド上で一元管理されるため管理が容易です。
たとえばオフィスの入退館でクラウド型の顔認証システムを利用する場合、各社員の登録した顔写真が管理システム内に集約されます。権限の付与や変更・退職時の顔写真データの削除などが管理システム内で一元管理・操作できるため、管理部門の対応コストを軽減できます。


サーバーの構築・管理が不要

自社でサーバーを構築・運用しなくても、提供されるシステムを活用して短期間で顔認証システムの導入・運用が可能です。

クラウド型の場合、導入後のメンテナンス・管理はサービス提供者側で行うため、専門知識のある社員を自社で用意する必要がありません。このように手軽に導入・運用できるできる点が大きなメリットの1つです。


汎用的なデバイスも活用できる

クラウド型の顔認証システムは、顔認証をクラウド側で行うため、カメラが搭載されたタブレット・スマートフォン等を活用することができます。

顔認証システムが組み込まれた専用機器ではなく、汎用的な機器を活用することで初期費用を抑えることも可能です。


セキュリティ性が高い

デバイスに顔写真データを保存しない為、デバイスに不正アクセスされて情報を盗まれるということがありません。一方、データを保存するクラウドのセキュリティ性が重要になりますので、サービス提供者がどのサーバーを使用しているか・そのサーバーのセキュリティ性は信頼できるか、などの観点で見ることが大切です。


複数の拠点で利用できる

顔写真データをクラウド上に保存しているため、複数の拠点のデバイスとデータを紐づけて共通で利用することができます。複数の事業所があるオフィス、複数の店舗を利用できるフィットネスジムなど、複数の拠点に顔認証で入館する運用をしたい場合、1回の顔写真登録で複数拠点を利用できるためクラウド型は非常に便利です。システムによっては入館できる拠点の制御も行えるため、利用者の入館権限によって柔軟な運用も可能です。



クラウド型の顔認証システムのデメリット


セキュリティ面での不安を懸念されやすい

クラウド型の顔認証システムはサーバーにデータを保存するため、データの流出を懸念する声をよく聞きます。個人情報の流出は大きな問題となりニュースでも大々的に取り上げられるため、頻繁に起きているという印象が強いのかもしれません。

もちろんデータ流出は100%防げるものではありませんが、近年はAWS(Amazon Web Service)のようにセキュリティ性が高く、日本国内の大手企業・損害保険会社・銀行などが使うサーバーもあります。サービス提供者がどのサーバーを利用しているか・セキュリティ面は安心かなど、導入前にきちんと確認をすることが大切です。


カスタマイズ性に乏しい

クラウド型の顔認証システムは、サービス提供者の構築するサービスをそのまま利用することになるため、自社向けのカスタマイズは難しくなります。自社システムとの連携が必要な場合、API連携やその他の特別な開発が必要になるため、事前にサービス提供者へ確認する必要があります。


システム障害時に利用できなくなる

エッジ型が端末内のシステムで認証をおこなう一方、クラウド型では、撮影した顔写真をデバイスからサーバーへ送信してクラウド上で認証、その結果を返すということが必要です。このデータのやり取りはインターネット通信で行われるため、通信会社の障害や利用するサーバー等のシステム障害が発生していると利用できなくなってしまいます。

障害自体は頻度が低いものではありますが発生時の影響は大きいため、従来の認証方法(鍵・カード等)も併用する等、発生に備えた対策を事前に講じておくことが必要です。


利用者に最低限のWebの知識が必要

顔写真データのクラウドへのアップロードにあたり、アプリや専用のWebサイトの利用が必要となります。アプリの場合はスマートフォンが必須となり、Webサイトの利用に際しては最低限のWeb知識が必要となります。想定する利用者層のITリテラシーの程度を考慮し、導入する必要があります。



クラウド型の顔認証システムの利用・活用シーン

ここまでクラウド型の顔認証システムのメリット・デメリットを紹介しました。
そのうえで、どのようなシーンで活用されているかをお伝えします。


マンションエントランスのオートロック解錠

マンションエントランスのオートロックを顔認証で解錠するため、顔認証が活用されています。賃貸物件の場合は定期的に入居者が入れ替わるため、エントランスのデバイスで顔写真の登録・削除を行うのは入居者・管理会社ともに負担が大きいです。クラウド型の顔認証システムであれば、現地に行かずにスマートフォンやWeb上から事前に登録でき、退去時の顔写真データの削除も遠隔で可能です。


参考)【導入事例】賃貸マンションにおけるクラウド型顔認証システム


オフィス等での入退館管理

オフィスの入退館管理にも顔認証システムの利用が進んでいます。
カードキー等では紛失・貸与による第三者入館ができてしまうリスクがありますが、顔認証であればその心配が無くなります。オフィスの場合、エントランス・個人情報保管室など複数個所での入退館管理が必要となる場合があり、社員の入退社に合わせた権限の付与・削除も必要となります

クラウド型顔認証システムであれば、各デバイスで登録・削除をする必要がなく、管理システムで一元管理し、権限付与・変更・削除ができるため非常に負担が少なくて済みます。


オフィス等での勤怠管理

勤怠管理と顔認証システムを連携して活用することもできます。
オフィスに着いてから顔認証することで、出勤が打刻される、帰宅時に顔認証することで退勤が打刻されるという仕組みです。

こちらも前述のとおり、クラウド型顔認証システムで顔写真データを管理すると利用者・管理者ともに負担が少ないです。


店舗での顔認証による決済

現在QRコード決済の利用が盛んになっていますが、顔認証による決済を導入している店舗もあります。事前にクレジットカード情報と紐づけることで、顔認証により決済を完了する仕組みです。

店舗のデバイスで事前に顔登録が必要となると利用のハードルが高くなるため、クラウド型顔認証システムを活用し、アプリや専用Webサイトから事前に顔写真データの登録・クレジットカード情報の登録をできると利便性が高まります。


電車・バス等でのチケットレス乗車・決済

顔認証による本人確認・決済を利用することで、バス・電車などでの活用も広まっています。
特に高齢の方が買い物時に利用するバスにおいては、帰宅時に両手が荷物でふさがっていることが多いため、顔認証による乗車・決済は利用価値が高いと言えます。


ジム・オフィス等の複数拠点間での本人確認

複数の拠点を持つジム・オフィスにおいてもクラウド型顔認証システムが活用できます。
一度の登録で複数のデバイスと顔写真データを紐づけられるため、一度の登録で複数拠点で顔認証を利用することができます。拠点における利用可否・登録と削除を管理システムで一元的に管理できます。


クラウド型顔認証システムの注意点

メリットの多いクラウド型の顔認証システムですが、利用にあたっては注意点もあります。
導入を検討する場合は下記の注意点をきちんと理解することが必要です。

プライバシー(個人情報)の問題

顔認証で使用する顔データは個人情報に該当します。具体的には、個人情報保護法における「二 個人識別符号が含まれるもの」に該当します。本人認証という目的外の利用や、流出・漏洩が起こった場合は法的に罰せられることもあるため、データの管理・運用方法を明確に定めて最新の注意を払う必要があります。流出すると大問題に至るため、利用するサーバーのセキュリティ性などをしっかりと事前に確認することが大切です。

(参照:個人情報の保護に関する法律


認証スピードの問題

クラウド型顔認証システムはデバイス・サーバー間でのデータのやり取りがあるため、一般的にはエッジ型より認証スピードが遅くなります。とはいえ、解錠スピードだけでシステムを選ぶことは危険です。利用目的により求められる内容は異なりますので、スピード・機能・使い勝手・セキュリティ・コストなど総合的に判断する必要があります。


まとめ

クラウド型の顔認証システムは、手軽に導入できすぐに利用開始できるという大きなメリットがあります。
​​​​​​​また、顔写真データの登録が容易・管理が容易・複数拠点間で利用できるという特徴もあり、マンション・オフィス・店舗・公共交通機関など様々なケースで活用が可能です。

本記事を参考にしていただき、ぜひ自社ビジネスにお役立てください。







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