どこよりも細かい長崎ハウステンボス「変なホテル」宿泊レポート
不動産の効率的な活用を事業目標に掲げているライナフですので、よく「ホテルの効率化」について相談を受けます。
2020年にはホテルが確実に不足するため、民泊、簡易宿所、ホテル等について多くの新規プロジェクトが動いているからです。
ホテル業は空間活用手段としては非常に収益性が高く魅力的な反面、オペレーションや旅館業法の関係で不動産業界の知識が通用せず、勉強の必要性を感じていました。
そこで、業界内では効率化の事例として有名な、ハウステンボスに併設されている「変なホテル」へ視察へ来た次第です。
今回は、自分の備忘のためと知識共有のために、この視察レポートを作りました。
正式な取材ではなく、あくまで一ユーザーとしての体験したことを書いているのと、本業はライターではないので、へたくそなレポートでお許しください。
また、一部、スマホでは見づらい箇所があるようです。特に動画部分は、容量が大きいうえにスマホでズームアウトしてみないと再生ボタンが見つからないかもしれません。
じっくりと御覧になりたい方はPC画面で見ることをお勧めします。
1:そもそも「変なホテル」とは。
ハウステンボスが旅行会社HISに買収された際に、既存のホテルを大幅にリニューアルして生まれた、無人化を目指したホテルです。
会社HPには、『「変なホテル」は先進技術を導入し、ワクワクと心地よさを追求した世界初のロボットホテルです。フロントでは多言語対応のロボットたちがチェックイン・チェックアウトの手続きを行い、クロークではロボットアームが荷物をお預かり、手荷物はポーターロボットがお部屋(A棟のみ)までお運びします。』とあります。
要するに、ホテルの最大のランニングコストである人件費をどこまで切り詰められるか、チャレンジをしたホテルです。
2:予約
今回、予約は楽天トラベルで行いました。
変なホテルの公式サイトでも予約が出来るのですが、最先端のITを駆使したとは思えないほど予約しづらい、わかりづらいHPだったため、途中で面倒になって楽天トラベルから予約しました。
予約の際は、「カード払い」のみ選べるようになっており、現地で現金で精算するという選択肢が出てきませんでした。
3:長崎空港からバスで移動
今回のハウステンボスまでの道のりは、羽田空港→長崎空港→バス(1.5時間)でした。
遠いですね・・・、けっこう。
ちなみに、博多駅からハウステンボス駅までは特急で1時間20分です。
4:チェックイン
チェックインをするためのA館(本館)の入り口に、パト〇イバーっぽいロボットが置いてあります。動きません。
玄関ドアをくぐると、ピンクのかわいい人形がいて、「いらっしゃいませ、変なホテルへようこそ。左手の受付へ進んでください。」と促します。
さて、受付です。
この受付は、よくテレビや雑誌でも出ているので、見たことがない人も多いと思います。
僕が一番気になっていたのは、この受付の部分で、旅館業法における「台帳記載」という、必ず一筆かかせる!部分を、どこまで省力化しているか、気になっていました。
ロボットに近づくと、人感センサーにより「いらっしゃいませ、言語を選択してください。」となります。
言語を選択したあと、「お名前をおっしゃってください」となり、音声入力で自分の名前を入れます。
自分の名前を入れた後、予約内容が確認され、OKを押すと、名前の署名をタッチパネルに行います。
書いたのはこの部分だけ!!
つまり、台帳記載のルールは、名前の署名だけでOKのようです。
これは、スーパーホテルも同じでした。
名前を記載した後は、横にある精算機から部屋のカードと領収書を受け取って、チェックイン完了です。
詳しくは動画を御覧ください。(手ぶれ激しいです。)
チェックインの後、荷物をは来んでくれるポーターが荷物を運んでくれます。
ただ、このポーター、A館のみ対応のため、今回僕が宿泊したD館は対応してくれないようで、動くところを撮影することもできませんでした。
残念。
途中で、人間のスタッフの方とすれ違いましたが、「いらっしゃいませ」等の言葉はなく、空気のような存在に徹していました。
そういう教育方針なのか・・・な?
今回宿泊した部屋はこんな感じです。
ドアの前まできました。
このドア、というか鍵はなかなかすごくて、カードキーをかざすと、右上のカメラで顔を撮影されます。
宿泊期間中は、カードがなくてもこの顔認証だけで室内に入ることができます。
いろいろ試してみたら、確かに顔認証で鍵が開きます。マスクをして入ろうとしたらダメでした。
部屋の中に入ると、人感センサーで電気がつきます。
この人感センサー、けっこう厄介で、部屋のすみのテーブルで10分くらい動かないでじっとしていると、室内にいても勝手に電気が消えます。
真っ暗になったため、ブレーカーが落ちたのかと思って、慌てました。
もう一度人感センサーを反応させるためには、部屋の中央まで移動しないとダメでした。
室内には、ピンクの人形が置いてあり、この人形に話しかけることで、照明の操作やモーニングアラートがセットできます。
ただ、あまりにも決められた言葉以外に反応できないため、「明かりを消して」を、「部屋の電気をけして」「電気をけして」「くらくして」などことごとく無視され、いらっとしました。
そもそも、このロボットの名前「チューリーちゃん」を最初に言わないと反応しないため、いざ寝ようと思ったときにロボットの名前を忘れてしまい、電気を消してもらえませんでした。
室内には照明のスイッチがなく、途方にくれましたが、照明用のリモコンを見つけて事なきを得ました。
室内ガイドとしてWindowsタブレット(10インチ、EPSON製)が置いてあったのですが、ガイド用アプリが途中で落ちてしまい、もう一度表示することができず、結果、一度忘れた「チューリーちゃん」の名前を僕が思い出すことは滞在中一度もありませんでした。
なお、タブレットには盗難防止用のロックはなく、普通の汎用Widnowsなので、盗まれないか心配になりました。
チューリーちゃんはがっちりロックされていました。
ツインの部屋でベッドが2つあったのですが、1つは安いパイプベッドにマットレスが置いてあるような感じで、ギシギシうるさかったため、途中で隣のベッド(こっちは普通)に移動。
なぜパイプベッドを?と思ったら、下にもう1台の追加折り畳みベッドが入っていました。
保管スペースを確保するためにパイプベッドにしたのだと思いますが、もう少し良いものを。
夜は(周りに何もないので)静かで快適でした。
その他、気づいたことを箇条書きで。
・室内はきれいで快適。
・室内の設備は最小限で、食器はカップ2つのみ(ソーサーやスプーンなし)、小さい冷蔵庫と湯沸かし器あり、電子レンジなし。テレビは32インチSHARP製。
・ユニットバス・トイレは1坪タイプで広かった。バス・トイレいずれもTOTO製。
・アメニティは、歯ブラシ、歯磨き粉、櫛のみ。それ以上欲しい人は、A館の自販機で買うこと。自販機にはアメニティがたくさん売ってます。
・壁に室内照明のスイッチがないのは、さすがにわかりづらいので、つけてほしかった。
・ホテルの駐車場は有料。 荷物を預かる機械も500円で有料。いろいろなサービスを有料に切り分けている感じ。
(細かい金額表はこちら。 http://www.h-n-h.jp/amenity/ )
以上、変なホテルの宿泊レポートでした!!