リスクを指摘する人が頭がいいっていう空気
大企業に、多いんです。
リスクを指摘できる人が、頭がいいっていう風潮。
その事業には〇〇というリスクがあるが、それについての対策は十分か?
〇〇の可能性については十分に検討したか?
こんなセリフで、新しい新規事業の芽をつぶしてしまう、アタマのイイ人達が多いんです。
そして、それを言う人が、なんだか出世しやすい風潮。
危ないですよね、本当に。
静かに沈んでいく会社の典型です。
なお、そんな風にリスクばかり指摘してきた人が、取締役になって、急に新規事業をやろうとするものだから、結局、失敗します。
だって、これまで新規事業をやらずに、リスクばかり指摘してきた人がやろうとするチャレンジの成功率なんて、水槽で飼われていた魚が突然海に放たれてちゃんと生き延びる確率と同じようなものですから。
わかりやすく、今から20年前の状況を考えてみましょう。
当時、まだインターネットが今より普及していなかった時代に、ある大手アパレルがECサイトの立ち上げを検討したとします。
アタマのイイ人は、このECサイト立ち上げに対して、こんなコメントを言うことでしょう。
「ECサイトで買い物をするのは、金額の安い服ならともかく、高い服は試着なしには買うわけがない。」
「クレジットカードをネット上に入力させるなんて、もし、ハッキングにあったらどうするんだ?」
「盗まれたクレジットカードで大量に購入された場合はどうする?」
「そもそも、インターネットを使っている人間は、20代がほとんどで、私たちのメインターゲットの30代は誰もネットなんて使ってないよ。」
「ネットを使う層は、ファッションに興味のないオタク層がメインだから、ファッションとECは相性が悪い。」
「ネットで注文を受けた後に、在庫がなくなっているのがわかったら、どうする?店頭と違って、現物限り、がわからないじゃないか。」
ちょっと想像しただけで、これだけ出てきます。あと30分考えれば、もう50個くらい、否定的な意見を言える自信があります( ´∀` )
で、この否定的な意見によって、ECサイトの立ち上げに遅れた結果、後から来たZOZOTOWN等のファッションECに主導権を奪われ、自社ブランドのECを今から立ち上げても、今さら感があるんですよね。
しかも、今になって自社ブランドのECを立ち上げる時に、否定的意見であがっていたいくつかの内容については何も解決はされていないにも関わらず、「多くの会社が同じことをやっていて問題がないのだから、問題がないはず。」と考える。
危ないですよね、本当に。
リスクを上げるのは構わないのですが、それと同じだけの情熱で、その新規事業に取り組んだあとに広がる世界観も、考えて欲しいものです・・・。