骨髄移植体験記その3
精密検査のあと、もう一度、大学病院に呼ばれます。(3度目)
今回は、父も一緒です。
今回は、最終同意、という重大な儀式のための、訪問となりました。
この時点で、僕は最終候補者となり、いたのかどうかは定かではないのですが、他の4人のライバル?に勝ち、無事にドナーの権利を得たことになります。
最終同意、というのは、自分の親と弁護士が立ち会っているもと、医師から再度、手術のリスクについて説明を受けて、サインをする儀式です。
簡単に要約しますと、
1:(死亡や障害が残る)リスクについて、ドナー(僕)の意思を尊重してちゃんと医師が説明をしているか、弁護士が確認をする。
2:ドナーには手術の直前まで、キャンセルを言う権利があることをちゃんと、弁護士の前で説明をする。
3:だがしかし!今日、このサインをした後は、患者さんは体内の白血球を全て殺してしまうため、今日以降、キャンセルを言い出すと患者さんは死んでしまう。
4:だから、今日、腹をくくってサインしてね♪
っというものです。
ここでまた、2時間近くに渡り、医師からリスクの説明をされます。(3度目)
僕は何回も聞いているので、ハイーハイーハイーしか言わないのですが、初めて聞いた父は、やはり、リスクの大きさについては実感をしたようです。
弁護士の先生立会いの下、僕は無理強いされていませんよ!自らの意思でサインするんですよ!とPRしながら、書面にサインをしました。
これで、最終同意、完了です。
この後、僕が逃げ出したり、僕が重い病気になってしまったりすると、患者さんが亡くなってしまうかもしれないので、健康管理には気を付けなくては!と思いました。
帰り道、僕が父に、「僕が死ぬリスクが0.01%未満、患者さんが生きてくれる可能性が50%以上あるなら、ぜひやるべきだよねー。」と軽く話していたら、父が「とはいえ、親としては自分の子供には死んでほしくないので、大賛成!という気持ちではない。でも、それをやるという、潔の意思は尊重したい。」と言われたのが、とても印象的でした。
次回は、ついに新章、入院編です!(つづく)