選ばれる賃貸物件とは? 必須の設備と付加価値になる設備をランキングで紹介
年々、新たな賃貸物件が登場するなかで、入居希望者に選ばれ続けるにはどうすればいいのでしょうか。今回は、物件の設備に着目し、入居するにあたって必須の設備とあれば選ばれやすい設備、そして物件の設備投資に対する考え方の例を紹介します。
目次
【賃貸物件の必須設備ランキング】
全国賃貸住宅新聞による「入居者に人気の設備ランキング2023 必須編」によると、単身者向けは1位がエアコン、2位がTVモニター付きインターホン、3位が室内洗濯機置き場でした。また、ファミリー向けも1位はエアコン、2位は室内洗濯機置き場、3位はTVモニター付きインターホンとなりました。
単身者向け | ファミリー向け | |
1位 | エアコン | エアコン |
2位 | TVモニター付きインターホン | 室内洗濯機置き場 |
3位 | 室内洗濯機置き場 | TVモニター付きインターホン |
4位 | インターネット無料 | 独立洗面台 |
5位 | 温水洗浄便座 | 追いだき機能 |
6位 | 独立洗面台 | 温水洗浄便座 |
7位 | 宅配ボックス | インターネット無料 |
8位 | エントランスのオートロック | システムキッチン |
9位 | 備え付け照明 | エントランスのオートロック |
10位 | 高速インターネット(1Gbps以上) | ガスコンロ(二口/三口) |
-人気な一方で後付けが難しい設備もある
ランキングの上位設備のうち、後付けに大きな費用や工事が必要なものも含まれています。例えば、室内洗濯機置き場や独立洗面台は、もとから設置できるスペースが空いていれば問題ないですが、そうでなければ間取りの変更が必要です。システムキッチンやガスコンロ(二口/三口)の交換は、間取りは変える必要がないものの、設備や工事の費用が高額になる傾向があります。
【賃貸物件の人気設備ランキング(付加価値編)】
全国賃貸住宅新聞による「入居者に人気の設備ランキング2023 付加価値編」によると、単身者向けは1位がインターネット無料、2位がエントランスのオートロック、3位が高速インターネットでした。また、ファミリー向けも1位インターネット無料、2位エントランスのオートロックで、3位は追いだき機能となりました。
単身者向け | ファミリー向け | |
1位 | インターネット無料 | インターネット無料 |
2位 | エントランスのオートロック | エントランスのオートロック |
3位 | 高速インターネット(1Gbps以上) | 追いだき機能 |
4位 | 宅配ボックス | システムキッチン |
5位 | 浴室換気乾燥機 | 宅配ボックス |
6位 | 独立洗面台 | 高速インターネット(1Gbps以上) |
7位 | システムキッチン | 浴室換気乾燥機 |
8位 | 防犯カメラ | 24時間利用可能ごみ置き場 |
9位 | 24時間利用可能ごみ置き場 | ウォークインクローゼット |
10位 | ウォークインクローゼット | ガレージ |
-後付けがしやすい設備も含まれている
無料インターネットや開通しているインターネットを高速なものに変更する、宅配ボックス、防犯カメラの設置などは、比較的後付けがしやすい設備といえます。在宅勤務が増えたことでインターネットに対する関心が高まったこと、非対面での荷物の受け取りが広まったことによる宅配ボックスニーズの増加など、生活の在り方と連動しているものもあります。物件の付加価値を高める一手として検討するメリットはあるでしょう。
【満足度を得やすい設備トップ15】
SUUMOリサーチセンターが実施した「2022年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」によると、設備に対する満足度(各設備が設置されている者/各単一回答)で上位にランクインしたのは以下の設備です。
設備 | 比率 | |
1位 | ディンプルキーなどのピッキング対策の鍵 | 68.1 |
1位 | 24時間出せるゴミ置き場 | 68.1 |
3位 | ウォークインクローゼット | 65.8 |
4位 | TVモニター付きインターフォン | 65.7 |
5位 | 2口コンロ以上 | 65.5 |
6位 | 独立洗面台 | 64.9 |
7位 | 無料インターネット完備 | 64.8 |
8位 | エアコン付き | 64.7 |
9位 | 追い焚き機能付きの風呂 | 64.2 |
10位 | セキュリティシステム(警備会社) | 63.8 |
11位 | オートロック | 63.4 |
12位 | 宅配ボックス | 63.3 |
13位 | 非接触キー(指紋認証、暗証番号入力、ICカードによる鍵) | 62.3 |
14位 | 温水洗浄便座 | 61.2 |
15位 | 防犯カメラ | 58.4 |
15位 | スマートロック(鍵を持たずとも開閉できる) | 58.4 |
-物件の付加価値を高める際の考え方
生活が便利になる設備として、24時間出せるゴミ置き場やウォークインクローゼット、宅配ボックスなどがある一方で、ピッキング対策の鍵やTVモニター付きインターフォン、セキュリティシステム、防犯カメラ、スマートロックなど安全性を高める設備も多くランクインしていることがわかります。
以前はエアコンのついていない物件がスタンダードだったのが、今では設置されていることが当たり前になったように、物件の設備に対する価値観は変わります。昨今の事件や事故を考慮すると、セキュリティ対策は同様の流れになる可能性が高いのではないでしょうか。
セキュリティ対策で最も注目されるのが、鍵に関する安全性です。実際、鍵を紛失したり無断で複製されたりすることが気になる人は少なくありません。また、賃貸物件は入居者が入れ替わる際、管理会社が鍵を管理します。管理会社が厳重に管理しているとしても、盗難にあうなどのリスクはゼロにできないでしょう。
こうした背景から、最近はスマートロックや非接触キーが注目を集めています。これは入居者に選ばれる物件にするためだけでなく、不動産仲介会社に積極的に物件を紹介してもらうためにも有効です。コストや工事が比較的おさえやすい設備として、導入を検討してはいかがでしょうか。
入居者獲得と物件の鍵に関しては、「入居者募集の隠れたネック!? 知っておきたい、鍵の管理と入居者獲得の関係性」をご覧ください。
【スマートロックは手軽に設置できる】
玄関ドア用と共用部のエントランス用のスマートロックを紹介します。
-かんたんに後付けできる玄関ドア用のNinjaLockM
NinjaLockMは玄関のドアに後付できるスマートロックです。設置にあたって工事は不要で、さまざまなサムターンに対応しています。
特徴は2つのオートロック機能を搭載している安全性の高さです。鍵を開けたあとに閉まるオートロックに加え、指定した時間に自動で施錠するタイマーオートロック機能があります。
また、解錠はスマートフォンの専用アプリ、暗証番号、ICカードから選択できるため、生活スタイルと相性の良い方法で利用できるでしょう。
NinjaLockMの詳細はこちらをご覧ください。
-共用エントランスをスマートロックにできるライナフGate
ライナフGateは、株式会社ライナフが提供する顔認証で解錠できるスマートロックです。鍵を開けるという作業そのものが不要なため、荷物で手が塞がっている、コンビニまで手ぶらで外出、といった場合もスムーズに入室できます。
また、スマートロックを利用することで置き配も便利になります。配送会社にデジタルキーを発行することで、オートロックの物件でも玄関前に置き配が可能です。解錠できるのは一時的かつ解錠の履歴が残ることから、セキュリティ面でも安心して利用できるでしょう。
事実、ライナフGateの利用者満足度は94%と高く、置き配対応物件の入居希望割合も81%となっています。
置き配に関するアンケート結果は「置き配は利用されている? 置き配に関する調査結果を大公開」をご覧ください。
また、スマート置き配についてはこちらをご覧ください。
【まとめ】
入居者希望者に選ばれやすいかどうかは、そもそも立地や築年数、間取り、家賃などが大きく影響します。しかし、物件選びに対する価値観や優先順位は、世代によってさまざまです。そのため、近隣の賃貸物件と設備面で差別化を図ることは一定の効果があります。
設備を増やしたり交換したりするには、どうしても費用がかかります。そのため、投資対効果が見込みやすい設備に絞って導入するのが現実的です。セキュリティ対策の優先順位が高まっている昨今、スマートロックやエントランスのオートロックは長く選ばれるきっかけになるかもしれません。