株式会社ライナフ

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CEO BLOG
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撤退の難しさ

2021, 10/17

孫正義の有名な言葉に、「撤退が下手なやつはケチ」というのがあります。

本当にそれはその通りで、事業がうまく行かない、となったときに、その原因を排除するすべが見つからないまま、ずるずると事業を続けるのは、本当に危ない。

人は、何かしらコストをかけたものに対して、やめることができなくなる習性があります。

それを、「サンクコスト」と言います。

例えば、

・もう1万円かけたんだから、追加で5千円かけてうまく行くなら、やってみよう。

・片道2時間かけてここまで来たのだから、この土地じゃないと食べれないものを食べよう。

・せっかく、ここまで時間をかけて開発したのだから、この開発結果を何かに使わないともったいない。良い活用方法はないだろうか?

といった心理です。

上記3つの例でいうと、冷静には、

・5千円かけて得られるメリットが、5千円以上の価値があるかを考える。(1万円は忘れる。)

・その場所で本当に食べたいものがあるかを考える。(片道2時間は忘れる。)

・本当に顧客が求めているものは何か?を考える。(開発結果を忘れる。)

が、本当は、正しい判断基準なのですが、それを見失ってしまうのが、サンクコストです。

自分がいろいろなことを考え、判断をしているときに、「あ、サンクコストに捕らわれているな。」と意識することは大事だと思っています。

一方で、経営者がサンクコストを考えずに、「今までやっていたこれはすっぱりと忘れて、これをやる!」と言ったときに、これまでコツコツと積み上げてきたものを無視されることは、働いている現場の人にとっては、とてもモチベーションが下がります。

そのため、サンクコストに捕らわれてはいけないものの、それを積み上げてきた人たちへの説明責任を果たさないと、結果的には誰もついてこなくなる、という事態になります。

だから、撤退というのは難しく、安易に新規事業を始めてはいけないのです。

自戒をこめて。