顔認証の仕組みとは?活用のメリット・注意点から活用シーンまで
こんにちは、「ライナフGate」ブログチームです。
顔認証システムは、オフィスの入退館管理や飲食店における決済など近年急速に利用が加速しています。
自社での活用の可能性を検討したいが、そもそもどういうものかよく分からない・・という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「顔認証システムの仕組み」から活用のメリット・注意点・活用シーンまで、基本的な事項をまとめて紹介します。
マンション専門の顔認証で入居率を上げる!空室問題を解決!
目次[非表示]
- 1.顔認証システムの仕組みとは
- 1.1.「顔認証」と「顔認識」の違い
- 2.認証システムの種類
- 3.認証方式
- 4.顔認証のメリット
- 4.1.手ぶらで認証ができる
- 4.2.非接触で衛生的
- 4.3.セキュリティ性が高い(なりすましの防止)
- 4.4.紛失・流出の心配が無い
- 4.5.専用機器が不要
- 5.顔認証システムの注意点
- 5.1.プライバシー(個人情報)の問題
- 5.2.認証精度の問題
- 5.3.利用環境における影響の問題
- 6.顔認証システムの活用シーン
- 6.1.スマートフォンのロック解除
- 6.2.空港の出入国ゲート
- 6.3.オフィスビル・事務所での入退室管理
- 6.4.イベント会場・スポーツ施設での本人確認
- 6.5.公共交通機関での本人確認
- 6.6.ジムなどの受付の無人化
- 6.7.テーマパークでのアトラクション乗車
- 6.8.マンションのエントランス
- 7.マンションのエントランスにおける活用
- 7.1.物件の差別化
- 7.2.入居者の利便性の向上
- 7.3.物件のセキュリティの強化
- 8.コロナ禍におけるメリット
- 8.1.非接触での認証
- 8.2.人と人との接触の回避
- 9.まとめ
顔認証システムの仕組みとは
顔認証システムとは、生体認証の一種で、カメラで撮影した映像や画像から人の顔を検出し、データベースと照合することで本人確認・認証を行うシステムのことです。ディープラーニングされた人工知能(AI)が利用されています。
認証には、目・鼻・口などの特徴的な位置や顔における比率・顔の大きさなど、顔に関する様々な要素をもとにデータベースとの照合を行います。
認証を行う人は事前に専用の機器やアプリから自身の顔写真を撮影・登録しすることで照合が可能です。
「顔認証」と「顔認識」の違い
顔認証と混同しやすい技術として「顔認識」があります。
顔認識は、画像から人の顔を検出し、性別・年齢・表情(泣いているか笑っているかなど)などを判別する技術のことを指します。撮影した顔の持ち主の属性を把握できるので、店舗などにおけるマーケティング活動などで活用されています。
一方、顔認証は、検知した顔画像の特徴点を基にデータベースと照合し本人確認をするための技術であり、本人確認・なりすまし防止・セキュリティの向上に寄与する技術です。
認証システムの種類
端末(エッジ)方式
顔認証を行うための専用の端末(エッジデバイス)を設置し、その端末上や近くのサーバー上で認証を行う方式です。
専用端末が必要で導入コストが高い・デバイスの更新が必要になるなどのデメリットがあります。一方、認証速度が速い・ランニングコストが安価であるというメリットもあります。
クラウド方式
カメラで撮影した画像をクラウド(※1)に送信し、クラウド上のシステムで顔認証を行う方式です。
エッジ方式に比べて認証に時間がかかる・インターネット接続が途切れると顔認証システムを一切利用できないなどのデメリットがあります。一方、高額な専用端末が不要で一般的なカメラ(スマートフォンやタブレットなどの汎用機に搭載のカメラ)が利用できたり、自社でシステムを管理・更新する手間が無くなるなどのメリットがあります。導入コストが安く済み、システム提供者側のアップデート等により常に最新のシステムを利用できます。
※1 クラウド:インターネット経由で様々なWebサービスを利用できる環境の総称。
認証方式
顔認証システムの認証方式には、下記の2つがあります。
2D認証
撮影した顔画像に写る目・鼻・口などの位置を認識し、それらをデータベースに登録された顔情報と照合することで、特定の人物であると認証する方式です。
対応する端末が多く、選択肢が多い・コストが安いというメリットがあります。一方、太陽光・照明の光などが認証精度に影響を及ぼすデメリットがあります。また、平面的なデータとして照合するため、システムによっては顔写真でも認識してしまう可能性もあるため注意が必要です。
3D認証
2D認証の仕組みに赤外線センサーを加え、顔を立体データとして認識し、認証する方式です。
立体的に認証するため、顔写真などによるなりすましを防ぎやすく、2D認証より認証精度が高くなります。暗所での認証にも強いです。一方、赤外線カメラを搭載している端末での利用に限られるため、対応端末が少ない・専用端末のため費用が高額になるというデメリットがあります。
2D認証・3D認証それぞれのメリット・デメリットを認識し、顔認証を利用する目的・求められる認証精度・コストなどのバランスを考えて決定することが必要です。
顔認証のメリット
顔認証システムを導入するメリットは、以下のようなものが上げられます。
手ぶらで認証ができる
特別な動作が必要なく、カメラに顔を向けるだけで認証できます。
特にマンションのエントランス・オフィスの入退館などにおいては、荷物で両手がふさがっている状況でも手ぶらで鍵を開けて入退館できるので非常に便利です。
非接触で衛生的
従来の鍵や指紋認証と異なり、端末に触れることなく認証できます。非接触のため衛生的であり、コロナ禍における感染防止対策が求めれる昨今において重要な要素であると言えるでしょう。
セキュリティ性が高い(なりすましの防止)
個人個人に異なる「顔」を鍵にするためセキュリティ性を高め、第三者によるなりすましを防止します。
物理鍵・カードキーの場合、紛失・盗難により不正に取得した第三者がなりすまして侵入する可能性があります。また、オフィスにおいては、鍵の貸し借りにより本来入館権限のない社員が禁止エリアに侵入することによる不正も懸念されます。
紛失・流出の心配が無い
物理的な鍵を持ち歩かないため、紛失の心配がありません。また、パスワードのように流出する心配もありません。紛失・流出した場合、鍵を交換したりパスワードを再設定したり、再設定後のパスワードを関係者に周知したりという手間が発生しますが、これを防ぐことができます。
専用機器が不要
2D認証では、スマートフォンやタブレットなど汎用的な機器のカメラを活用することも可能です。専用機器が必要な指紋認証などと比べて低コストに導入ができます。
顔認証システムの注意点
メリットの多い顔認証システムですが、利用にあたっては注意点もあります。導入を検討する場合は下記の注意点をきちんと理解することが必要です。
プライバシー(個人情報)の問題
顔認証で使用する顔データは個人情報に該当します。具体的には、個人情報保護法における「二 個人識別符号が含まれるもの」に該当します。本人認証という目的外の利用や、流出・漏洩が起こった場合は法的に罰せられることもあるため、データの管理・運用方法を明確に定めて最新の注意を払う必要があります。
参考)
この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、 次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電 磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。 次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録 され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を 除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの (他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる こととなるものを含む。) 二 個人識別符号が含まれるもの
(引用元:個人情報の保護に関する法律)
認証精度の問題
昨今の技術の進化により認証精度はかなり高くなっていますが、導入する顔認証システムにより認証精度に差が出ます。新型コロナウイルスの感染症対策が徹底されている現在、マスクをしたまま認証することが一般的です。「マスク姿では認証できない・うまくいかない」となるとわざわざマスクを外す必要が出てしまい、顔認証の手ぶら解錠などの恩恵を受けられません。少なくとも、マスク姿での認証ができる精度をもつシステムを選ぶ必要があります。
利用環境における影響の問題
2D認証では太陽光や照明の光の影響を受けるため、極端に明るい場所や暗い場所では認証が難しい場合があります。設置場所が影響を受けない場所かどうか。事前に検討が必要です。
顔認証システムの活用シーン
顔認証システムは社会の様々な場面で活用されています。
ここでは主な活用シーンを紹介します。
スマートフォンのロック解除
日本で利用率が高いスマートフォン「iPhone(Apple社)」においては、「iPhone X」以降「Face ID」という顔認証システムが搭載されています。特別な操作が不要で、スマートフォンを持ち上げて顔をかざすだけでロックが解除されます。「iPhone 12」以降の機種では、iOS 15.4 以降にアップデートすることで「マスク着用時 Face ID」を使って、マスクをしていても iPhone のロックを解除できます。
空港の出入国ゲート
2021年7月から、成田空港において顔認証で荷物預け・保安検査場・搭乗ゲートまで通過できるようになりました。事前に自動チェックイン機でパスポートを照合して顔画像を登録することで利用が可能です。
オフィスビル・事務所での入退室管理
オフィスビル・事務所への入退室時にも顔認証システムが活用されるケースが増えています。社員証によるICカード認証が今までの主流でしたが、先述の通り紛失・盗難・貸し借りにより不正入館やなりすまし入館のリスクがあります。顔認証を活用することでこのリスクを無くし、セキュリティ性を高められます。オフィス向けの顔認証システムは、勤怠管理システムなどと連動する物もあります。
イベント会場・スポーツ施設での本人確認
2019年6月にチケット不正転売禁止法が施行されましたが、チケットの転売被害は後を絶ちません。チケット情報と顔情報を紐づけ、顔認証による本人確認を行うことで不正転売によるなりすましを防止できます。また、本人確認の混雑緩和・省人化・非接触というメリットもあり、2022年3月から東京ドームの一部入場ゲートで顔認証が活用されています。
公共交通機関での本人確認
千葉県佐倉市では、2021年5月・9月にバス・電車における顔認証による乗車の実証実験が行われました。2023年3月には、大阪市北区の大阪駅北側の再開発区域に開業する「うめきた(大阪)地下駅」に顔認証による改札機が導入される予定となっており、今後の活用が期待されます。
ジムなどの受付の無人化
スポーツジムなど、ICカード認証を行っていた施設において、顔認証を活用することで他人のカードを使った不正利用を防ぐことができます。また、顔認証であれば人が受付をする必要が無くなるため、人手不足の解消にも一役買っています。
テーマパークでのアトラクション乗車
富士急ハイランドでは、2018年に顔認証によるアトラクションの乗車を開始。現在では、オンライン顔登録フリーパスを販売し、事前にシステム上から顔写真を登録することで顔認証で入園できるようになっています。
マンションのエントランス
オートロックマンションのエントランス解錠方法としての活用も広がってきています。デベロッパー・オーナーにとっては物件の差別化や入居者満足度の向上として、入居者としては手ぶら解錠の利便性やセキュリティ性アップとして大きなメリットをもたらしています。
マンションのエントランスにおける活用
具体的にマンションのエントランスではどのように活用されているのか、具体的に紹介します。
物件の差別化
マンション経営において物件の差別化は重要なポイントです。従来は宅配ボックス・インターネット無料などで差別化を図ってきましたが、新築マンションでは段々と一般化してきており差別化が難しくなってきたという声を聞きます。
顔認証システムは、、マンションにおいてはまだ活用が始まってきた段階であり、導入物件の数はそれほど多くない状況です。最先端のサービスであり、かつ利用する入居者の利便性が高い顔認証システムは現在では十分に物件の差別化を図るサービスになるといえるでしょう。
顔認証システム「ライナフGate」を提供する弊社の調査によると、「顔認証システムでエントランスを開けられたら便利だと思う」人は89.5%(n=1,000。オートロックマンションに住む10代~50代の男女。調査方法:インターネト調査)であり、実際に顔認証システム「ライナフGate」を利用した入居者の92%が「満足」、95%が「生活が快適になった」と回答しています(n=115。ライナフGate導入物件の利用者 調査方法:Webアンケート)
入居者の利便性の向上
顔認証ならマンションのエントランスを手ぶらで解錠できます。
顔を向けるだけでいいため、両手に荷物を持っている時はもちろん、荷物を持っていない時でもストレスがありません。
弊社の調査では「エントランスを開けるのに鍵を出すのが面倒くさい」という方が80%もおり、この課題の解決策として活用できることが期待されています(n=115。ライナフGate導入物件の利用者 調査方法:Webアンケート)
また、宅配ボックスやエレベーターと連動し、非接触で荷物を受け取ったりエレベーターに乗ったりするシステムもあります。
物件のセキュリティの強化
顔認証は個人個人に特徴がある「顔」を鍵とするため、物理鍵・カードキー・パスワードのように盗難・複製・流出の可能性がありません。極めてセキュリティ性が高い認証方式といえます。
また、デジタル的に権限を付与できるため、利用可能期間を登録することで、期間外には顔認証によるエントランス解錠ができないようにすることができます。誰が・いつ解錠したかが「顔画像ログ」として残るため、犯罪や不正への高い抑止効果があります。
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コロナ禍におけるメリット
顔認証システムは、利便性・セキュリティの向上という視点からだけではなく、コロナ禍における活用が期待できるシステムです。
非接触での認証
機器に顔を向けるだけで認証できるため、完全非接触での認証を実現します。指紋認証のように機器を触る必要は一切ありません。物理鍵やカードキーの場合は素手で直接機器を触れることはありませんが、鍵・カードを経由して間接的に接触することになるので、やはり完全非接触の顔認証はコロナ禍において受け入れられやすいシステムといえます。
人と人との接触の回避
ジムなどの受付・店舗における決済など、従来は人が対応していたことを顔認証で代行することで無人化が図れます。上述の物理的な接触だけではなく、人と人との接触も避けることが感染症対策に有効といえます。
まとめ
顔認証システムは、手ぶら解錠による利便性・セキュリティ性の高さ・非接触での認証とメリットが多く、様々なシーンでの今後の活用が大いに期待されます。
一方、個人情報やプライバシーのへの配慮が必要であったり、システムにより精度の差があったりすることに注意が必要です。
導入を検討する際は、導入の目的・必要とする機能やスペックを予め明確にすることが大事です。また、導入後の運用も視野に入れて管理者・管理会社との事前相談や運用方針を固めておく必要もあります。
顔認証システムの仕組みを理解し、ぜひ事業に役立ててください。
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