株式会社ライナフ

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NinjaLock2ができるまでの苦労話その2

2017, 04/10

A社と仕切り直し、改めて違いう開発メンバーと交渉を開始しました。
ただ、ここからがさらに苦難の道の始まりでした。
まず、量産する時の1台単価が、当初の見積もりからどんどん膨れ上がり、最終的には当初の価格の1.5倍になりました。
打ち合わせを1回するごとに、価格が上がりました。
さらに、開発費も当初の話から2倍近くまで膨らみ、担当者に「頼むから、後出しで量産価格や開発費を増えるのはやめてほしい。今のままでは青天井で増えている。」と相談するものの、
「モノ作りとはそういうモノです。細かく見積もった結果、予想以上に高くなるというのはよくあることで、最終的な仕様が全て固まるまでは、金額がいくらになるか、というのはお答えできません。」
とのお答え。
青天井に伸びる価格に耐えかねて、「これ以上、見積もりの金額が伸びるのであれば、製品として成立しないから、1台の単価はこれ以上伸びない、と約束してほしい。」と話しました。
最終的には、価格の上限は設定してくれたものの、逆に「この値段だと、この程度が限界です。」と言われて、提示されたのは、僕が思い描いていたNinjaLock2には到底届かないものでした。
本体は大きく、キーパッドやゲートウェイなどのオプションとの連動は無理、とのことです。
別のチップを使うことで解決できるのでは?と提案をしても、「そのチップは社内で使ったことがないので、保証できない。このチップしか使えない。」との答えでした。
A社の場合、EMSとしての活動の他に、チップやモーターなどの部品を自社生産しているため、自社部品を優先的に使う決まりがあったのです。
この時点で、A社との交渉が完全に行き詰りました。
そして、2015年8月から始めていた計画はすでに1年が経過し、2016年8月となっていました。
NinjaLock2は、本来目指していた発売日の時点で、白紙に戻ったのです。
同時期に、ライバルであるスマートロックベンチャーのフォトシンスから、AkerunProという次期機種が発表されました。